【施工事例】ヘリンボーンCFのデメリットとは?

ヘリンボーンCFのデメリットについて

こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
大阪市都島区でリフォームリノベーション専門店と土地建物の買取/再生の事業をしています。

最近、店舗の床をリフォーム工事をした際にヘリンボーン柄のクッションフロアを使ってくれという相談がありましたが、ヘリンボーンには大きな欠点が3つあります。

  1. ジョイント(継ぎ目)が目立ちやすい
  2. CFのヘリンボーンはシームシーラーが目立つ
  3. 材料のロスが多いので普通のCFより少し単価が高い

ヘリンボーンというのは木目の柄のことで今流行りの材料ではあるのですが、店舗やリノベーション物件やおしゃれな家に箇所に多く使われていますが、店舗を経営する社長には僕から、床の下地が悪い場所や築年数の経っている建物にヘリンボーンを使うとただでさえジョイント(継ぎ目)が目立つので、使うとしたらフロアタイルにした方がいいという提案をさせていただきました。

実際に、ヘリンボーンはお洒落であるのですが施工が難しく欠点も多いため、今回はヘリンボーンの欠点と現場目線で見た長期的にお得になる内装工事について細かくお話ししていきましょう!

目次

ヘリンボーンのクッションフロアのデメリットや欠点

ヘリンボーンのクッションフロアというのは魚の骨のように、木の板がジグザクにデザインされたCF(クッションフロア)なのですが、ヘリンボーンには様々なデメリットがあります。

今回は内装屋ですら予め説明を工務店からしておいてほしいと言われるヘリンボーンの内装の工事の欠点3点についてお話ししたいと思います。

ジョイント(継ぎ目)が目立ちやすい

写真のシームシーラは継ぎ目があっていないことももちろんありますが、現場で継ぎ目を合わせてCFを施行するためどうしてもジョイント(継ぎ目)は目立つ施工になります。

また、照明の色が昼白色であればジョイントは気にしなくてもいいものの今の継ぎ目に対して、ジョイント部分を電球色で照らすなど、スポットライトで照らす場合などは他の明るい箇所と暗い箇所の差が大きいため、正直言って継ぎ目が目立たないというのは不可能に近い作業です。

基本的にCFのジョイントは目地がついたCFのラインに合わせて施工することが多く、その目地のラインに合わせて切るためジョイントが目立たないという特性もありますが、ヘリンボーンの場合は継ぎ目のラインがなく色も木目だあるため継ぎ目が目立つのは致し方ないことになります。

それと同時に下地の悪い場所では、段差が大きく目立つ商品でもあるので大工工事や、アースシールや下地調整が重要になる工事でもあります。

ヘリンボーンはシームシーラーが目立つ

ヘリンボーンのクッションフロアだけでなく、CFのジョイントにはシームシーラーという接着剤を入れるのが内装工事の基本になりますので、この作業はクッションフロアの浮きを抑える作業になります。

この工程を省略する業者も時々いますが、長い目でみるとCFが継ぎ目から浮いてくるリスクが高いため基本的には施行するのが基本です。
しかし、ヘリンボーンや木目に関してはシームシーラーが透明で艶のあるタイプであればかなり目立つのも事実です。
そのため予めお客さんには説明するのが必要なのだなと最近僕も気づかされました。

余談ですが、このシームシーラーはジョイントができるクッションフロアでは使うのが普通なので、継ぎ目の目立ちにくい場所ではわからないケースが殆どで、この問題が起きるときはリビングや広い場所でCFを使った時におきます。

シームシーラーが目立つケースが起きにくいのは、戸建てやマンションでは賃貸と違うためクッションフロアを使う箇所が継ぎ目のない水回り(トイレ、洗面)で使用されることが多いという背景もあります。

材料のロスが多いので普通のCFより少し単価が高い

ヘリンボーンのクッションフロアはジョイントで並べる箇所と柄を合わせる部分が多いため、正直言って普通の単価のクッションフロアより見積もりを高くするケースがよくあります。

口頭では平米単価を上げることはありませんが、正直言って柄合わせの多い材料平米単価を高く見積もるか諸経費を多めにいただかないと施行する側も合わない可能性が高いため、どこかでグロスで調整してるケースが殆どです。

そのため、平米単価が同じだから同じ費用でできるという発想で依頼している場合は、その業者がロスが多いなどの説明がなく他の内装材と同じ単価でする場合は正直言って、素人や施行したことのない業者の可能性があるためDIY程度の仕上がりになる可能性が高いのをご理解ください。

ヘリンボーンのクッションフロアのメリットはデザイン性

ヘリンボーンのクッションフロアは今デザイン性が高い人気のある商品のため、リノベや民泊、店舗で人気のある商品となっています。

元々は昭和の中古マンションフローリング(30年前あたり)で流行した施行方法ですが、近年はレトロ感も出るような施工やデザインが流行していることもあり人気を集めています。

また、ヘリンボーンはワンポイントのデザインとして非常にデザイン性が優れているため、トイレや洗面などのジョイントがない場所ではデザイン性と機能性で大きな役割を果たします。
個人的には電球色やスポットライトでの照明、照明を使ったデザインを使うような箇所ではおしゃれなデザインになると考えています。

CFの手抜き工事”シームシーラー”を省略

賃貸などの原状回復で多く見られるのが、このシームシーラーの省略です。
正直言って、お客さんの要望以外でシームシーラーの省略をすることは長期的にみるとクッションフロアの捲れの原因やジョイントの浮きに繋がるので使うのが当たり前です。

しかし、賃貸などの安い単価で施工を求められる場合などは業者によっては”安いのにやってられるか”という人ももちろんいます。
そのため、僕たちは予め安くしてくれという要望があるのなら他の業者に言ってくれ、最初から値切り、他の業者と比べたりするような人とは付き合うことはできないとはっきり言っています。

その深い理由には、このような手抜き工事や目には見えない細かい工程の省略があるためです。

今回使用したのはサンゲツHM11023のヘリンボーン

HM11023 [ヘリンボーン] サンゲツ クッションフロア (木目/1.8mm厚/182cm巾/住宅向け)

今回使用したのは、サンゲツのクッションフロアヘリンボーン(HM11023)になります。
実際使用してみると、照明次第で感じる色は変わるかな?と感じました。

最近使用したのは、電球色を使っている家でヘリンボーンを使用したためどっちかというと濃い木目のような雰囲気になりましたが、昼白色のような場所では明るい木目になると思います。

場所によって違いますが、雰囲気や照明、施工箇所で感じ方は変わると思います。
余談ですが、ヘリンボーンのCFはリリカラと言うメーカももちろんあります。

このafterのトイレのCFはリリカラの型番:LH81326になります。
どちらがいいというのはありませんが、他のメーカーでもクッションフロアはありますので、どれがいいかは工務店や内装屋の提案次第ということになるケースが殆どですね!

ヘリンボーンはC Fより、フロアタイルがおすすめ

サンゲツフロアタイルWD-2114 フレンチヘリンボーン

僕が個人的にお勧めするのは、フロアタイルのヘリンボーンになります。
そもそも論の大前提として、CFを使う場所は洗面所やトイレなどのちょっとした箇所や水回りが多く、リビングや広い場所で使うのは賃貸っぽくなるためCFのヘリンボーンをリビングに使うことは基本的にありません。

また、フロアタイルのヘリンボーンであればジョイントにシームシーラーを入れる必要もなく、見た目も綺麗ですし、耐久性にも優れており、CFのようにジョイントがあまりにも目立つ、捲れやすいという条件も解消される傾向にあります。

唯一の欠点を言うとすれば、費用が上がる点とCF同様ロスが多く、柄合わせの難しい材料になるので内装屋としての技術と工務店の力量が問われる内装リフォームになります。

フロアタイルはCFよりも耐久性に優れている

フロアタイルとCFの主な違いは、根本的な材料のサイズになります。
1枚単位のサイズは下記の通りです。

  • サンゲツ フロアタイル WD-8114 
    203.2 mm × 1219.2 mm 厚み2.5mm
  • サンゲツ CF(クッションフロア) HM-11023
    幅182 cm×長さは調整可能 厚み1.8 mm

この情報だけでも分かるように厚みも違いますし、クッションフロアはクッション性があり柔らかい質感を持ったシート状の塩化ビニル製床材です。
逆にフロアタイルは、フロアタイルはPVC(ポリ塩化ビニル)素材でできた、クッションフロアよりも硬い、タイル状の床材です。

引用元:サンゲツ公式ホームページ

正直な話、店舗でも土間用のCFを使う人もいますが、見れたものではありませんし、安く済ませたい簡単に張り替える程度の考えの賃貸で貸し出すという考えなどでない限りはフロアタイルをお勧めします。
実際問題、フロアタイルは仕上がった際にカッコいいと個人的には思いますが、CFは水回りのワンポイントだけで十分だと改めて思います。

ヘリンボーンのCFやフロアタイルの施工単価について

  • ヘリンボーンのCFの施工単価 4000円弱〜/㎡
  • ヘリンボーンのフロアタイル施工単価 5500円〜/㎡

ただし、ロスや量の関係で金額は変動する可能性はもちろんありますし、上記の金額はあくまでも最低限の施工相場ですので、量が増えれば最低限に近づきますし、正直言って量が少ない平米数(広さ)では一式単価になる傾向が殆どなので平米〇〇円やから安いという発想は難しく、職人は日当のため少ない量でも高く費用はつきます。

【将来的にお得になる】床の張り替えの際にして合わせてしておくべき工事

リフォーム工事は場所ごとにちょっとずつする方も多いのですが、仕上がりや内容的に一緒にやった方がいいよね、という工事は何点かあります。

その理由は結果的にその既存のトイレや洗面、洗濯パン、キッチンなどを残して工事をするのか?脱着するのか?それでも仕上がりは変わりますし、残す場合はその前に見切り材を使う必要や、脱着費用もかかるため、脱着費用を払うくらいなら交換しておいた方がいいということもよくあります。

その一例を下記に記載しました。

木巾木またはソフト巾木の交換

基本的に床の工事をするときは、木巾木またはソフト巾木の交換が必須と言ってもおかしくありません。
その中で、交換せずに施工はできないのか?と聞かれると僕たちの技術で壁と巾木のギリギリのところで加工して施工はできるのですが、擦り合わせを全てするので時間とお金が非常にかかります。

単純に家の大きさで計算するのではなく、こういったちょっとした施工の小さなポイントで費用は大きく変わります。
また、この際に巾木の交換が今の巾木が特殊な海外製の製品などである場合やオーダーメイドである場合は代用が効かないので、すり合わせで既存のものを残してするので費用が上昇し、巾木との隙間は完全に埋めれるかというのはやってみないとわからないですし、築年数の古いお家は壁が曲がっているので、真っ直ぐ綺麗に隙間なく施工するのは不可能になります。

そのため、本当のことを言うと巾木を交換して多少のフロアタイルとCFの壁との隙間は巾木で隠すというのが基本的な現場施工方法になります。
もし、どうしても交換できない場合で隙間ができた場合はコーキングやコークで隙間を埋めること、または周りに雑巾ずりと呼ばれる木の細い見切り材を打つことになります。

クロスの張り替え

床を張り替えた時に同時にしておくことをお勧めするのが、クロスの張り替えです。
このクロスの張り替えをすることによって床とクロス巾木の隙間を完全に無くすので仕上がりを一番綺麗にできます。

この仕上がりを一番綺麗にする作業を全てするにはもちろん費用はかかりますが、長い目で見ると変えててよかったという人が殆どですし、床を変えた際にソフト巾木で施工をしていた場合は、もう一度めくって新しいソフト巾木を施工する必要があるので、二度手間になって正直言って床を安く工事をしたい人は最終的には費用が高くなるというのは工事業者あるあるです。

床の上に存在するもの「キッチン、洗面化粧台、トイレ」

トイレの交換
ヘリンボーンのCFと木目の千番クロスを使っています。


写真はトイレの交換の写真ですが、ヘリンボーンのCFと木目の千番クロスを使っています。
このように付随してできるものはたくさんあるのですあが、逆を返せばできなくなるものも多くあり、トイレがある状態でのCFやクロスの交換は仕上がりが悪くなり手が入らない箇所がどうしてもあるのでその点はご注意ください。

また、キッチンや洗面化粧台も同じです。
もし、交換をしない場合はキッチンや洗面につきつけて見切りやコーキングなどを入れて施工するため次にキッチンや洗面化粧台が小さくなった場合は、その部分が恥をかきます。(恥をかく=変えてない部分が見える)

そのため、床の上にあるものを全く変えないというのは費用的には安く済むのですが、将来的に施工した際に既存の商品の下に床材がない場合はその部分を何かで補修するか床全体をもう一度キリの良いところまで工事する必要があります。

中古マンションのリノベやトイレ内のワンポイントでおすすめ

ヘリンボーンは今、デザイン製の良さが評価されリノベーションやワンポイントの工事として非常に注目を集めています。
中でも中古マンションのリノベーションをする際は仕上がりが引き締まるため非常に多くの工事業者やお客さんが選ぶ商品になっています。

他にも床材といえばフローリングがありますが、このクッションフロアやフロアタイルをフローリングの上に上貼りで施工するケースが殆どです。
解体すると費用がかかるため上貼り施工をするのが今の主流ですが、フローリングはフロアタイルやクッションフロアよりも費用が高くつくため、メリット・デメリットもたくさんあります。

実際にフローリング材で中古マンションをリノベーションした記事が下記にあるので、興味のある方は一度ご覧ください。

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締め:床は下地が重要なので、お洒落な床は傾きのある床は向いていない

今回は、ヘリンボーンの床材のデザインのデメリットや他の視点から見たお話をしましたが、実際はどのようになっているかというとヘリンボーンを使うような工事は基本的に小規模のお客さんというのは、極少数です。

そのため、築年数の古い物件は大工工事がかなり多くどうしてもお客さんの要望も答えて費用を抑えながら傾きのある床や、中途半端に床の上に商材(キッチン、洗面、トイレ)などがあると中途半端な仕上がりになります。

工事は正解はありませんが、施工技術が問われる工事になりやすいのがヘリンボーンという柄の材料で、どうしても完璧な大工工事をしないといい仕上がりにならないというのはよくあることです。

それも踏まえて当社は今後、お客さんにはヘリンボーンのCFはジョイントが目立つ、シームシーラが目立つ、と言った欠点は先に言うべきだなと感じています。
なぜなら、代表の僕がお客さんに先に伝えてなくて失敗した経験があるので、これからは先にこういった事項は工事業者のプライドと現場の会社の社長としての誇りを賭けて改善していくべきことだなと思っています。

当社は大阪市都島区の工務店ですが、全国から床の工事を直して欲しいと言う依頼があるのでこれからもこのヘリンボーンについては気をつけなければならないなと思っています。
同時に予算のかかることですので、現地を見ないと床の工事は分からないし一見のお客さんに他社と比べる前提での連絡は結果的に良い工事にならないので、基本的にお断りしています。

土井工務店に興味があるという方は一度ご相談ください。
それでは、皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
質問や相談等があれば、記事を読んでくれた方に費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。それでは時間を大切に良い一日を。

土井工務店 代表 土井健史



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ヘリンボーンCFのデメリットについて

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