こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
大阪市都島区でリフォームリノベーション専門店と土地建物の買取/再生の事業をしています。
先日、大阪市都島区の京橋駅すぐの古民家を店舗にするリフォーム工事行い、内容は元々和室だった部屋の床を解体して、土間を打って、左官してほしい、最終的にはうちっぱなしのオシャレな感じに仕上げて欲しいという依頼があり当社が施工しました。
京橋という地域は特殊で、古い築年数の建物が多く借地で建物を建てているオーナーさんが多く、複雑な関係性の中工事をするので元請けとして工事をする際は前準備の段階で様々な許認可が必要となるのが商業地域の醍醐味なんですよね。
駐車場も高いし各種官公庁への手続き、周囲の方への気遣いもあるのでどうしても商業地域は施工単価が高額になりがちにになるんですよね。
今回は土間打ち(左官)の仕事だったので、大した前準備はありませんでしたが、やはり店舗の工事は複雑で解体するといろんなものが出てくるので、店舗のリフォーム/リノベーションは高くつく傾向にあります。
今回の記事は、空き家になっている古い京橋の古民家を土間打ち(左官)のリフォーム工事をした実際の施工事例になります。
土間コンクリート施工の手順
店舗の床は基本的に土間打ちで打ちっ放しの仕上げをするまでに手順を知ってますかね?
土やバラスを投入して、下地を作って、その上にコンクリートを流して施工を開始するのが基本となります。
古い店舗では、土間が上から上からの施工でカバーしているので、解体するとなると大変なことになるケースがあり多くの工務店や施工会社は工事の時にはあえて、解体することをせずに上から土間打ちや防水、長尺シートやフロアタイルと言った仕上げをするケースがよくありますが、どれがいいというわけでは無いんですよね。
ちなみに今回の場合は新規でリフォーム工事をするため若干の解体と工事の準備がありました。
当社が実際に行った京橋の店舗リフォームの手順は次の手順通りです。
土の搬入とレベル出し
まず基本となるのが、土間打ちの基本となるレベルの調整になります。
ここの土間は10㎡ほどだったので、1立米の生コンを流す予定のため、まずは仕上がりから10cm低い箇所で調整をする必要があります。
ちなみに、駐車場や重たいものが乗る箇所などでは鉄筋土間の中に鉄筋を入れて強度を上げる場合もあり、上にくる重さの強度でどのような仕上がりにするかどうか?ということまで考えられています。
生コン車による生コン
偶然ですが、駐車場の前から生コン車を流し込む動線があったため、今回は楽に土間コンクリートを流し込む工事をすることができました。
ゴミの搬入や土の搬入から比較的に動線よく行えたため、土間打ちの作業も捗りました。
土間打ちと左官
実際に左官の職人または土間屋がドマを慣らしていく作業や、トンボを使って慣らしていく作業になります。
抑えをする前にまずは入れたコンクリートを均一に慣らしていく作業をしています。
これを基本に次は仕上げを行なっていきます。
抑えと勾配の調整
水が蒸発して水分がある程度抜けた後は、仕上げに抑えと呼ばれる作業を行い、職人が金鏝仕上げで土間を仕上げます。
金鏝というコテを使ってて手作業で行うので、正直簡単にできるものじゃないんですよね。
やはり建築の職人は修行期間と技術が必要なんだと改めて今回の工事でも思いました。
土間打ちはDIYでできるものか?
正直いうと、土間打ちのレベルになると素人のDIYは失敗します。
かなり器用な方でも失敗する工事になると僕は思っていて、その理由は左官の技術の難しさにあります。
左官の職人は、修行期間が最低10年と言われるほど難しく全て手作業で行うので、技術だけでなく知識と感覚もかなり必要なんですね。
正直、水が抜けたこのタイミングでやっていると職人は言っていますが、水が抜けたタイミングは素人の方が見ただけでは真似することは到底不可能です。
土間仕上げのメリット・デメリット
上記の写真は土間の仕上がりの写真になります。
古い京橋の店舗の床の仕上がった状態の写真ですが、微妙に少ない勾配が排水溝(目皿)の方にできているのが分かりますかね?
ここには予め排水配管を仕込んだ状態で水道工事を行い、その排水に向かって水が流れるように工事を行い、水たまりができないように勾配を調整して作るのも手作業になるので、土間打ちにはかなりの技術が必要なんだというのがよく分かります。
土間仕上げのメリット
土間仕上げのメリットはやはり、今流行りのコンクリート調のデザインや店舗リフォーム、リノベーションの空間作りの一番人気のある空間を作れるからでは無いでしょうか?
また、一階であれば土足が基本となるのですがそのまま入って行く際に土間の上というのは心理的にも上がりやすいというのが個人的には感じています。
大阪の京橋は立ち飲み屋居酒屋が多いので、2軒目3軒目と流れて行く傾向にあるのでインテリアのデザインやターゲット層の背景を考えても土間の打ちっ放し仕上げは、飲み放題やお酒好きには好かれる内装でしょう。
土間仕上げのデメリット
打ちっぱなしの欠点はやはり汚れでしょうか。
家具や土足で使用した場合、もちろん汚れはつきますしその汚れを取ろうとしても取れない、結果的には削る必要がるというのがよくあります。
また、水たまりができないように勾配を取る必要があるので、職人の技術もかなり必要になるので業者選びを間違えると痛い目に遭います。
僕たち、都島区の土井工務店も土間打ちの打ちっぱなしで仕上げる際は職人だけでなく、現場管理も一緒に手伝って取り返しのつかないことにならないよう厳重に工事を行うほどです。
ですが、個人的には京橋の店舗などは決して綺麗なお店が並ぶ地域ではありません。
そのため、個人的には床の汚れはお店の雰囲気やデザインの一種なのでは?と思います。
あまりにも綺麗すぎては、大阪市都島区の京橋ではデザイン的に下町のような雰囲気があった方が顧客に合ってるのではないかな?と工事をして歩いているお客さん、お酒を立ち飲みしているお客さんを見て感じました。
土間のクラックとその後の仕上げ
どうしても年数や天災(地震)の影響などで、土間はヒビが入りやすく重たいものを載せた影響だけでなく、振動や圧縮、水の侵入といった様々な面で心配はあります。
基本的にリフォームと新築では下地の状況も全く違うし、いくらお金をかけても新築のようになるわけではありません。
そのため、何を妥協するのか?一生持つものは無い、特に中古物件ではそれを受け入れる覚悟で工事をした方がいいと個人的には思いますね。
お洒落な土間に防塵塗装はするべきか?
仕上がった土間には防塵塗装と言って、クリア塗装のような色の付かない塗装を行い、土間の汚れや埃をつきにくくする塗装もあるのですが、新築の駐車場では行う傾向にありますが、ちょっとした店舗では行わずにそのまま仕上げであったり、汚れても構わないという人も多々います。
感性は人それぞれですが、僕個人的には仕上がりに上から長尺シートやフロアタイルを仕上げしない場合は、防塵塗装をするべきなのでは?と思うんですけどね、、
締め:すでに左官できる職人はもうほとんどいない
僕たち工事業界の現状ですが、すでに綺麗に左官や土間打ちができる職人は数少なくなってきており様々な職人が減っているのが今の工事業界の現状です。
特にリフォームやリノベーションでする左官工事は解体工事や型枠など様々な工事が必須なので、中々できる技術の持った職人や会社が無いため、どんどん施工費や工事単価は上がる傾向なんですよね。
実際のこの10㎡程度の京橋の店舗の土間打ちも20万円以上かかっています。
特に商業地域になると施工単価は当たり前のように上がるので、費用は上がるのですがそれにしても職人の単価は上がり続けているなと感じます。
やはり今の時代、職人が重宝される時代なので僕はこういったITの技術世の中だからこそ現場の職人を目指すべきだなと個人的に思いました。
当社は大阪市都島区の工務店ですが、他の工務店では左官屋がいない、大工がいないなど嘆いている知り合いの工務店や職人といった建設業者は山のようにいますからね。
まあそんな中、自社で施工できる強みは大きいなと改めて感じます。
何が正解かはわかりませんが、これからも店舗や住宅の左官やコンクリートの土間打ちは楽しくやっていきたいなと思います。
最後に個人的な感想としては、今回、都島区京橋の店舗リフォームの仕事は、僕が都島区の工務店なので見えない経費がかからないので、近くて嬉しかったです。
それでは、皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
質問や相談等があれば、記事を読んでくれた方に費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。
土井工務店 代表 土井健史