悪徳なリフォーム訪問販売や点検商法の実態

リフォームの教科書を執筆している代表である私は元訪問販売、点検商法をしていた営業マンです。
毎月数字のノルマが課され、休みは月に1日もあれば十分といった日々。
私が所属していたリフォーム営業の会社は主に点検商法を中心として歩合制だった。
また、同時に隙間時間には訪問販売をするといった営業で、関西エリアを中心に東海エリアまで営業をした経験がある。

その中で私は営業マンの中では数字は良かったため、退職する時にも面倒なことが多く、家族を理由にして退職した。
結論から述べると、私は訪問販売の会社を辞めて良かった。

点検商法は人の心の善意につけ込んだ最低な営業方法だと思う。

個人的にはリフォームの訪問販売は正面から営業をかけていて違法ではないし、人として信頼されて仕事を受注しているので、僕は潔いと思ってるし、訪問販売=悪ではないと元営業マンとして言える。
こういった背景の中、私は本当に良いサービスを届けたいと思い、再び職人に復帰し大工の師匠と現在現場をこなしている。
私の経緯はご理解いただけたでしょうか?

これらを踏まえて、この記事で話したいことは次の2つ

  1. 人の善意につけ込む点検商法について
  2. 悪質なリフォーム訪問販売

この2点についてお話ししたい。

人の善意につけ込む点検商法

点検商法の入り口は基本的に無料、しかし1度家に入れてしまえば後は営業をかけてくるといった流れです。
実際に点検はするのか?というと、本当に点検をする業者もいれば点検をしたフリをして全くせずに営業だけをするといった業者が多いんですね。

実際に僕が所属していた会社の営業をする前の手順は次の通り。

  1. 挨拶
  2. エコキュートのヒアリング
  3. 点検[逃がし弁のレバーを上に上げるだけ]
  4. 点検報告
  5. 営業

といった流れですので、実際の営業についてお話しましょう。

点検商法は電話営業から始まる

「関西電力の電気プランのご案内で」といって電力会社の名前を使って、営業をする会社が今増えております。
これは完全なほぼ黒寄りのグレーで推奨されておりませんが、行っている会社は今も存在します。

この営業はアルバイトで雇われたテレアポ部隊と言われ、ひたすら顧客名簿リストに電話をかけて仕組み化されたマニュアルを使って、アポイントを取ります。
そして、電気料金が安くなるかもしれないと興味を持ったお客様に2回目の電話で初めて会社の正社員が電話してヒアリングを行い、訪問日を決める、このような営業が今も毎日どこかで行われています。

そんな中、点検商法も電話営業でアドバイザーの派遣といった理由をつけアポイントを取ります。
実際に一時期、太陽光やエコキュートを販売する悪徳な業者が増え、そしてすぐに潰れたことによって点検をしてほしいと言ったお客様も一定数おられるので、困っている人もいます。

困っている人の弱みや悩みにうまく入り込んでるようにも見えますし、言い方を変えれば上手い。
また、太陽光などは点検が義務化されていますのでこの点を営業会社はうまく利用しているわけですね。

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関西電力を装った電話営業について記事を書いています。
関西電力の電気プランのご案内といった営業ワードが多く、時にはauやdocomoの名前を使うような企業があるようです。
あまりにもメジャーになってきているため、お客様からの苦情や相談が絶えないような営業方法。

関西電力の名前を語った悪質な電話営業

前章で述べた通り、今も電力会社を名乗る電話営業は減りません。
電気プランのご案内でお電話しました、と言ってから質問を繰り返して、電気代が安くなる、お得などと言って商材を売るための準備をします。

ちなみにですが、売る商材はエコキュート、太陽光、蓄電池がメジャーです。
確かに電気代は安くなりますが、ローンを組むとそちらの支払いが発生するので結果的に同じでは無いでしょうか?

また、電話営業後はお客様の自宅に訪問し、電気代が安くなるといった名目でエコキュートなどを勧めます。
私はリフォームがメインだったので、話まででしか知りませんが営業マンが20代の女の子に100万円近い借金を背をわせて給湯器を交換させた契約書を見ました。
確かにお客さんは納得して喜んでいるかもしれませんが、血も涙も無い営業です。

悪質な(訪問販売)無料で点検をしているといって訪問販売をする

飛び込みは営業会社では”叩き”とも呼ばれており、多い営業パターンは次の通り。

  1. 関西電力の電気プランのご案内
  2. 近くでエコキュートの工事をしているので、お詫びに無料でエコキュートの点検をします
  3. 近くで太陽光パネルの設置工事をしているので、お詫びに無料で太陽光パネルの点検をします

相変わらず、関西電力や電力会社を名乗るグレーな営業が多いみたいです。
私は卑怯なことが大嫌いなので1度も言ったことはありませんが、最近ではauやdocomの名前を語る悪徳な営業まで増えているようです。

基本的に営業を家にあげてしまうことが営業をかけられる原因なので、それだけはご理解ください。

【不安商法】家の問題を指摘して不安を煽るリフォームの訪問販売

家の訪問販売で多いのは外壁塗装の営業です。
外壁にチョーキング現象が起きていたり、クラックがあれば一目で分かりますので1番有名な営業では無いでしょうか?
住宅街の角地などは特に訪問販売の営業が多いのも特徴です。

では、家の住宅リフォームの不安商法とは何か?というと、ここリフォームしないと、雨漏れする。全部直す必要がある、壁が腐っている、家が傾いているといった発言そして、基本的に家の悪い部分を全部指摘して、不安を煽って心配にする。
そして、リフォームを契約させる。このような営業は昔からなくなりません。

余談ですが、訪問販売の会社の多くは自社で施工することは少なく、営業会社やブローカーが多いので基本的には施工保証はあってないようなもの、と考えていてください。
基本的には自社で工事しないので安くもありませんし、できない工事でもできるという可能性もあります。

それでも安い場合は、個人的には材料が安い、もしくは2回塗りしかしない、といったように工事の質を落とすか材料の質を落としているのでしょう。

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実際に無料でお家の点検をしますよ!といった電話やインターホンが鳴ったことはないでしょうか?
現場に出たこともない営業がマニュアルによって”指摘箇所”といわれるお家の傷んでいる部分、屋根の瓦が割れているい、風呂が傷んでる、外壁が痛んでいる、シロアリがいる、木が腐っている、といってお客さんの不安を煽り、仕事を契約するように促すことから点検商法と呼ばれます。

リフォームの点検商法について詳しく書いている記事です

締め

この業界の秘話を聞いて皆さんはどのように感じましたか?
私は実際に訪問販売の営業マンでしたが、正直仕事がきついというよりは人の善意につけ込んだ営業だけはできませんでした。

営業として甘いかもしれないですが、それでも僕は”本当にいいものを作って売りたい”それだけです。
しかし、結局は営業会社の工事の質がやはり訪問販売の工事なので、リフォーム工事の質が悪かったから僕とは合わなくて、商品やサービスに自信が無くなったのかもしれませんね。

今は会社の退職後に個人事業主として開業し、大工の師匠のもと本当にいい仕事を知って、お客様から直接仕事をもらって最高のリフォーム工事をしている自分に誇りがあります。
結果的に訪問販売の営業会社をやめて良かったとはっきり言えるでしょう。

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現場で工事を請け負う立場が知っている新たな課題と内緒話が記載されています。
営業は決して悪いものではないし、人としてお客様に選んでいただいているものだと僕は多います。
ですが、それを利用して悪質な商品、サービスが増えているのも事実ですが、僕は少しでも業界を変えたい、本当にいいものを作って売りたい!それだけの思いで会社を設立するまでに至りました。

最後になりましたが、同時に経験して良かったと思っている自分もいて、悪質な行為や納得できないことはどんどん”リフォームの教科書”で発信し、少しでも被害が減少することを願っております。
リフォーム39 運営責任者
株式会社store39 代表 土井健史