【施工事例】使わない和室をビルトインガレージにリフォーム

【施工事例】ビルトインガレージにリフォーム

こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
大阪市都島区でリフォームリノベーション専門店と土地建物の買取/再生の事業をしています。

大阪の堺市にある一戸建てに住むお客様から内装リフォーム工事の依頼。
住宅の使わない和室をリフォームしてビルトインのインナーガレージ(ガレージハウス)を作って欲しいという要望でした。
今回、お客様の希望は次の通り

1.使わない和室を間取り変更(リフォーム)して、インナーガレージにしたい
2.バイクと自転車を合わせて3台置けるようにしてほしい
3.水とお湯を使えるようにして、シンクを設置したい
4.競技用の服をかける場所やヘルメットを置く棚が欲しい
5.シャッターが欲しい
6.外壁部分に断熱工事(内断熱)をしてほしい
7.家の内側に窓が欲しい

最近、ガレージハウスが流行してきて、インナーガレージ及びアウターガレージでしたが、工事をするためには、2点問題がありました。

1つ目、お客様の間取り変更の希望をしている間取り部分は庭側なのですが、冊子と冊子の下に基礎があり、それを解体してしまうと壁の解体及び、基礎の解体のため耐震性の面で問題がありました。
2,解体があまりにも多かったため、費用が高くなるという欠点

色々と変更部分ももちろんありましたが、なんとかこの2点をクリアし、その上でインナーガレージに堺市の戸建てのお家でリフォームをすることが決まりました。
というよりは、1は我々の工事の技術でカバーできますが、2のリフォームにかかる工事費用の面はお互いの事情もありますので、互いに歩み寄っていくしか方法はないといったところでしょうか?

実際に工事をさせていただいた家の大きさは30坪ほどでしたが、庭が10坪程度あり、堺市の南区の山手方向に行くと普通に広い家はあるのですが、駅近や堺市の中心部では20坪弱が多いのが堺市の住宅の特徴ではないでしょうか?

ちなみにですが、このいらない部屋の一部をリフォームで間取り変更してインナーガレージにする方法であれば、20坪前後のお家でも十分可能だと工事をして実感しました。

今回の記事では、バイクや車の趣味をお持ちの方にガレージハウスが欲しい、でも庭や駐車場がないという方に一つの選択肢としてこんな工事があるという参考になればと思い、記事を更新しました。

では、実際に工事をした手順やインナーガレージの特徴やメリット・デメリットを工務店目線で解説していきたいと思います。

目次

ビルトインのインナーガレージの
リフォーム工事リノベーション工事の工期と手順

インナーガレージのリフォーム工事の手順や工期は約2か月から3ヶ月前後。
順序は次の通りです。

  1. お問い合わせ
  2. 現地調査&ヒアリング
  3. お見積もり(お問い合わせから見積もりまで約1週間から2週間)
  4. 見積もり金額及び工事内容に問題がなければご契約
  5. 工事の打ち合わせ(職人及び材料)1週間
  6. お客様との打ち合わせ及び工事日程の打ち合わせ

お客さんとの打ち合わせから、工事日程の打ち合わせまでに2週間から4週間が目安ですので、最初のお問い合わせから約1か月弱ほど時間がかかるのが、このインナーガレージを作るための準備にかかる日数です。

実際に工事が始まった場合の工事手順

1.解体工事

リフォームはやはり解体が必須で、いらないものをまず解体することによって工事をやりやすいように調整します。
この際にお客様の要望で、古い断熱材の撤去や古い電線、木下地の交換、こう言った要望をされる場合があり、一度解体して作り直すと何度も新しくリフォームできる機会がないということから、望まれるお客さんが多いと言った印象です。

ちなみにこの際に交換をしてしまうとどうしても費用が高くなりますが、実際問題は築何十年も経った古い家は設備や材料を新しく変えれるのであれば、リフォームしておいた方が安心で快適に過ごせるといったメリットもあります。

余談ですが、ここまで工事をしてしまうと最早リノベーションと言っても過言ではありません。

2.壁の下地

解体を済ましてしまった後は壁、天井、床を仕上げていく流れになります。
この際に当社が行う手順は、最初に壁を大工が木工事して、次に壁の大工工事をして、床は最後に左官で仕上げます。

ちなみにこの壁の下地を作る大工工事を少しでも手抜きされると仕上がりに影響することになります。
特に今回のケースは解体前が和室だったことから、大壁にするのか真壁にするのかでも施工方法が変わるので設計と大工工事、電気工事の連携も必須になるため、自社で一括している会社でなければ難しいものがあります。

3.仕込み(電気、水道)

この際に天井から電気の栓を仕込んで電気工事を行なったり、水道が必要であれば床下から壁内、または床に水道の給水と排水の管を仕込む工事をする場合があります。

今回のお客さんはガレージ内にシンクが欲しいというオーダーであったため、土間コンを流す前に給水と給湯、排水を仕込んでおき、いつでもガレージの中で水が使えるという状態かつ、中でも工具やメンテナンスができるという状態に仕上げました!

4.仕上げ

下地に塗装や仕上げ材料を貼っていく
この際に仕上げた下地にシャターが必要な人は先にシャッターの取り付け工事を行います。
外部面は外と接することになるので、基本的にはクロスのような仕上げではなく、塗装が必須になってくる仕上げとなり、外部と面するので防火等にも気をつけて、工事を計画して実行する必要があります。

また、ガレージ内で火を使った作業をする際には壁を準防火にする必要性や、木工事ができない可能性も非常に高くなるケースももちろんあります。
それは住む地域が防火地域かどうかにも影響はしますが、木材を使った仕上げは工務店と要相談して決める必要があります。

5.棚等の造作及び、設備関連の取り付け

全ての仕上げの終了後に棚等の取り付けを再び大工で行います。
この際に仕上げた壁や床にコンセントや水道、棚を取り付けるため非常に緊張感のある仕事となります。

これがいわゆる化粧と呼ばれる仕上げになります。
この際に最初の大工工事で下地を入れていない場合には、棚に耐久性がなく棚が落ちてしまうケースもあるため最初の大工工事が重要となってきます。

6.清掃&工事検査

全ての工事が完了し、掃除の完了後はお客様による問題等がないかの検査を当社は行っています。
実際に工事をしていると傷や汚れがついてしまっているケースもあるのでその場合は、責任を持って直させていただきます。

また、施工完了後に傷がある場合にはリペア作業を行って傷をなくす作業を行います。

実際にはガレージハウスやインナーガレージが実現できずに諦める理由は4つ

  1. 建築基準法
  2. 家の広さ(平米)
  3. 家の間取りや耐震性の問題
  4. 費用の問題

上記の問題が非常に大きいようですが、この中でも家の間取りはとても重要です。
当社が工事させてもらったお客様のお家は、使っていない和室が庭に面しているというパターンでした。
そのため、外壁部の撤去や梁の追加を行い耐震性の強化を行った上で工事をすることができました。

もし、面している箇所がキッチンや玄関だけであれば必ず大きな費用の工事になるので、工事のできる工務店とお客様で入念に打ち合わせを行なって後悔のしないような間取りを作っていく必要が出てきます。

また、20坪(66㎡)以下の土地のお家では基本的に家が狭くなるのでビルトインガレージのような家になる可能性が高いです。
基本的に一般住宅では駐車場は約15㎡ほどで計算されているので、4坪ほど必要となるので家の5分の1が駐車場となります。

そのため、家の居住空間を狭めるか、共存するような形のビルトインガレージになる可能性が高いです。

ビルトインのインナーガレージのメリット・デメリット

ビルトインのインナーガレージのメリット

  • 使っていない部屋を駐車場にでき、駐車場代も節約できる
  • 自分だけの趣味の空間ができる
  • 周りの目を気にする必要が無い
  • 室内につながる扉を頑丈なもの(セキュリティ面)に変える必要がある
  • 住みながら工事をすることができる
  • 狭い家でもビルトインのインナーガレージハウスを作ることができる

ビルトインのインナーガレージのデメリット

  • 既存の空間によってとれるスペースが決まる
  • 解体から始まるので、大きな工事になる
  • 既存の空間でもちろん抜けない間柱や筋交がある
  • 家のスペースが小さくなる
  • 排気量の大きい車は強い換気設備が必須
  • エンジン音が大きい車の場合、2Fにも音が響く

当社のお客様はバイクが全部で5台あるようでしたが、バイクを置くための駐車場が無く倉庫もバイクのみのび使用では貸してくれないといったケースが多かったようでした。

デメリットはやはり初期投資となる費用ではないでしょうか?
また解体も大きくする必要性があるので、耐震性や構造の問題も出て、技術の持った職人がいるような工務店ではないと安心ができないという面もあります。

ちなみに今回の工事では、柱と梁を新しく檜で太いものを使って補強したので前より耐震性は強くなっています。

ビルトインのインナーガレージの天井と壁に断熱材の新設

天井には今回木下地(35×35)の木下地をして、その後にケイカルを張っていきました。
今回は天井はペンキの白で塗装仕上げなので、下にコンパネやボードを貼るのではなく、また使用用途が工具を使った整備をするガレージなので安全面といった点から、ケイカルという不燃材料を使っています。
その他の仕上げには、塗装を行う予定です。

また、今回はお客さんの要望で古い断熱材を入れ替えることになりました。
左が古い断熱材で、右が新しい断熱材です。

ここのお家の築年数は約30年ですが、年数が経つと少しずつ断熱材もこのように古くなっていくため、新築の断熱材もまた30年後には同じようになってるのかもしれませんね。

また、実際にこの写真の古い断熱材もここまで古くなっていると中の断熱材(グラスウール)もふにゃふにゃになって効果が有るかわかりませんし、捨てる際は産業廃棄物になり産廃代金は高くつきます。
また、この化粧の木材も和室ならではの見た目ですね!

ガレージハウス(インナー)のリフォーム工事費用例

工事にかかる費用の目安や項目は次のとおり

  1. 解体費45万円〜
  2. 壁・天井の大工工事(下地)75万円〜
  3. 耐震補強工事 60万円
  4. 電気水道設備工事 40万円
  5. 仕上げ 60万円から
  6. 諸経費  30万円から ※ゴミ代、運搬費、ビス、消耗品

上記を見て分かるように最低でも300万円必要ですが、家の状況と内容によっては金額は増減しますし、一概にこの費用が正解とは言えません。
ですが、お問合せいただいたお客さんには現場を見ていないので確実なことは言えないのですが、この費用感について詳細をお話しする事もあります。

ちなみにこのリフォームをした和室は6畳のため10平米はありませんし、工事をした感じではこの広さ(10平米以下の和室後)に車を止めることはどちらかに寄せれば出入りは普通にできるなと思いました。

後悔するガレージハウスの特徴

やはり後悔するのは使用勝手が悪いところが大きいのではないでしょうか?
とある口コミでは横幅が2400mm(240cm)しかないため、狭すぎて駐車場からも出れないといった意見や、生活空間が圧迫されるという意見がありました。

やはり工事や設計、ヒアリング、実績のない工務店ではガレージハウスというものはそもそも難しいんだなということを正直感じました。
当社でも最初の図面の作成や現調は、かなり慎重に行うようにする必要があると改めて感じたので、ガレージハウス作りは正直最初の段取りが8割、残りの2割が工事といった印象です。

ちなみに残りの2割ができるという会社ももうほとんどないので、僕たちのような下請けにどうにかしてくれとよく言ってくるのが現状ではないでしょうか?

また、和室だけのスペースを求めてしまうと10平米以下の広さになってしまうので、小さな省スペースを活用したガレージになってしまうため、目の前の庭が有効活用できない場合は、大きなガレージには基本的になりません。

締め:お客様にインナーガレージの感想を聞いてみた

当社のお客様から頂いた感想は、正直にいうと思ったよりも広くて最高!だけど作ってみるとこうしとけばよかったという点もある、とのことでした。
喜んでいただけて幸いですが、当社としてもまだまだ甘い部分があるなと感じた次第です。

また、良かったとおっしゃられた点としては内装が和室の雰囲気を残していることに特に気に入っておられ、デザイン性を気に入っていただけたことが何よりも嬉しかったです。
元和室というのはどうしても年数が経ってしまうと解体してガレージにしたいというお客さんが本当に増えてきたように感じています。

当社は大阪市都島区の会社ですが、対応エリアはあまり関係ありませんし、大阪という土地の狭い地域でガレージを作ってきた実績があります。
やはり空間作りというのは経験と実績と技術がものを言う世界だと改めて感じました。

長い文章になりましたが、ここまで読んできただきありがとうございました。
皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
質問・依頼・相談等があれば、費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。

土井工務店 代表 土井健史

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