こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
大阪市都島区でリフォームリノベーション専門店と土地建物の買取/再生の事業をしています。
今回は、大阪市北区の築50年の中古マンションのフルリノベーション工事で、朝日ウッドテックのアネックスstネダレスのノースチェスナット柄を使用しました。
工事内容は次のとおり
- 設計デザイン
- 解体
- 木下地
- 設備工事
- 電気工事
- 内装工事
- 清掃等
当社が一貫して行なっている内容なので、正直慣れてはいるのですが旧耐震のマンションであったため施工難易度はありました。
その中で中古マンションのリノベと言えば、L45のフローリングとなります。
L45とは中古マンションなどでは、マンションの管理規約で床材の遮音性能を表す指標の一つにあります。
特にマンションなどの集合住宅では、上下階の騒音トラブルを防ぐために重要な役割を果たすので、基本的にはこのルールと向き合っておく必要があります。
その中で今回使用したのは、朝日ウッドテックのstネダレスになります。
L45の防音効果はもちろんですが、ネダレスはお値段も高くなく、その上品質も悪くないという商品になっており、デザイン性も悪くないので、中古マンションのリノベではよく使用されております。
では、ネダレスのフローリングについて実際に見ていきましょう!
朝日ウッドテックのアネックスstネダレスについて

引用元は上記公式ホームページからです。
表面のオレフィンシートには、人気の高い天然木のオーソドックスな木目を美しくプリントしたシートタイプの防音直貼りフローリングという公式の説明があり、床暖房には対応しています。
費用は定価41,000円(12980/㎡円)という金額でもあるため、お客さんにとってもリーズナブルな価格で提供されています。
余談ですが、L45のフローリングはめちゃくちゃ高いのでそもそも安く済ませれるという発想はやめておいた方が良いんですよね。
そして、このネダレスという商品だけでなくL45のフローリングには必ずしなければならない施工法があり、それが間に挟まっている白い紙のパッキンになります。
では、なぜパッキンをフローリングとフローリングの間に入れているのかご存じでしょうか?
このパッキンの役目はフローリング同士が擦れ合って床なりをしてしまうのを防ぐ役目があり、大工はパッキン材の代用で木材やパッキン材など様々な方法もあります。
直張りフローリングL45のクッションによって起きるデメリット

ネダレスだけでなく、LL45のフローリングはマンションなどの防音対策のために裏にクッションがあります。
このクッションは階下への音を防ぐ役目もありますが、どうしても床の上に乗った際に凹む感覚があります。
それがふわふわしているという感覚です。
このフローリングとしての厚みは13.3mmあります。
その中でもフローリングの厚みのほとんどがこのクッション材になります。
ふわふわした床になる
L45のフローリングだけでなく、L40のフローリングも合わせて言えることは下の階の騒音を防げでも床のふわふわした感覚がなくなることがありません。
ですが、よくあるマンションの直貼りフローリング(LL45やL45のクレーム)に多いクレームは”床がふわふわしている、施工不良では無いのか?”というお客さんが多いのが実際の現場の特徴です。
お客さんの声と当社の声の差に正解はありませんが、実際問題を見てみるとクレームにつながってしまう原因になるのも確かなので、そもそもマンションの床はふわふわするものだと割り切ってしまうように説明を予め我々工事業者がしておくべきなのかもしれませんね。
床なりの原因にもなる可能性がある
一概に床なりはこのフローリング(L45)が100%の原因とは言えません。
直貼りフローリングというのは、一概に必ずしも上貼りに使わないとは限りません。
既存のフローリングの上に上貼り施工で使用するケースもある、または既存のコンパネの上に貼るケースもあるのでコンパネがすりあって床なりの原因になっているケースも時々あります。
根太によって床なりするパターン、コンパネのすりあった音によって床なりするパターン、パターンは様々ですが音なりや床鳴りは様々なケースがあるので一概にこれが原因というのは中古マンションでは判断するのが難しい傾向にあります。
床が動く
既存のフローリングをそのまま直貼りではタッカーやビスで止めるのではありません。
直貼り用のウレタンボンドを使って流し込む必要があります。
その上に打つ施工では無いため基本的にはボンドどめをして乾いていない状態であれば床は動きます。
そして、動いてしまった床を直すことは簡単ですが、固まってしまうと動いた状態でフローリングの継ぎ目が揃わない問題が起きてしまいます。
また、ボンドが周囲につくなどの問題もあるため、非常にシビアな材料となっています。
そんな中、個人的に推奨しているのがフローリング同士を連結させるためにテープで仮止めしておくことです。
当社ではこれを徹底しているため、フローリング同士にわずかなズレは無いとは言いませんが、大きなずれのクレームはほとんどありません。
また、この際に使用するテープはもちろん微粘着のテープを使用します。
アネックスstネダレスをマンションのリノベで使用した感想

今回、アネックスstのノースチェスナット柄を使用しましたが、やはり床が変わるだけで家の雰囲気は全く違うふうに感じました、
中古マンションのリノベーションは施工する会社でデザインや工事の内容と工事する会社が全く違うケースもあるのですが、当社は設計から施工まで一貫してマンションは行っているため、施工のクオリティーにも自信があります。
そして、今回このシリーズのフローリングを使った感想としてはやはりふわっとした感触は絶対にあるものだと改めて感じました。
また、施工の際に床が傷つかないように養生をするのですが、この養生をするとどうしてもテープを貼るので、養生をしていた箇所とテープの箇所で色の艶が変わります。
そのため、施工後はワックスを施工するのか?それとも養生をせずにその上に乗らないようにして置いておくのか?はっきりさせておく必要もあるでしょう。
L45の他の商品「Panasonic ウスイータ1.5mm厚」
土井工務店では、中古マンションのリノベーション工事で1.5mm厚のウスイータの上貼り施工の工事もしています。
逆にこの商品は本体のシートの裏側にクッションが無いため直に下地の影響を受けやすい傾向にあり、下地が綺麗な箇所で他との段差が少ないからウスイータを使わなければならないといった条件もあります。

ウスイータを使った中古マンションの工事の施工事例になります。
Panasonic製品なので質は良いのですが、朝日ウッドテックのネダレスに比べると圧倒的に費用が高いと感じました。
ですが、商品の質的な部分や建具の枠との収まりに関してはウスイータに勝るものは無いなと感じています。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、比較してこの商品の方が僕にはあっているなど感じていただくのが良いかと思います。
余談ですが、ウスイータを使うのであれば直貼りの箇所であれば、一度フローリングを捲って新しいフローリングを使った方がウスイータよりも安く収まるというケースもあるほど高価なものになります。
直張り施工と上貼り施工の違い
直貼りと上貼りの大きな違いは既存のフローリングの上に貼るのか、スラブやコンパネの上に貼るのか?この違いがあります。
既存のものがl45のフローリングであればその上から上貼り施工でフロアタイルや他の床材を使用するという選択もありますが、スラブや直にコンパネを貼っている場合には必ずL45既定のフローリングを使うようにマンションの規約で定められているケースがほとんどです。
これを守らない業者も時々います。
その理由は請負した金額があまりにも安いため、同じ色のL45では無い商品を使う悪質な業者も一部いるので、施工の業者に関してL45のフローリングは基本的に高いため、費用が安いというのは嬉しいということだけではありません。
安ければ安いほど業者や職人は利益を残すために、様々な方法で原価を抑えようとするケースがあります。
共通して言えるのは巾木の交換は必須
フローリングの張り替えの際に仕上げに大切なものの一つとして、壁際の仕上がりがあります。
ここに大きな隙間があると、お客さんは施工不良では無いのか?と不安になるケースもあるので個人的には巾木の交換を行わない事を推奨しません。
この巾木を残した状態で全くの隙間がなく施工するというのは、リフォームやリノベーションでは至難の業になります。
そのため、床のフローリング工事をする時には巾木の交換を検討しても良いのでは無いでしょうか?
アネックスstネダレスの単価と施工費用について
アネックスstネダレスだけでなくフローリングは本体と施工費で計算するため、平米単価というよりは本体の費用と施工費で分けるケースがほとんどです。
マンションの床全てを上貼りL45を使用するのであれば55㎡ほど床面積のあるマンションでは下記のような計算をします。
- フローリング本体 17,000円-20000円 1ケース(3.3㎡) 17ケース必要 各工務店の仕入れ値でも変動
- リフォーム框
- 施工費 7500円-12,00円(㎡)現状の下地や築年数によります。
- 副資材 ノリやテープ
- 荷上げ、ゴミ、養生費用、交通費、諸経費
様々な見えない費用が必要となります。
上記の計算を含めて計算すると、普通のマンションでは100万円〜の費用は最低でも見ておく必要はあるのでしょうか?
ネダレスを使った現場のリノベーション施工事例

今回の施工はフルリフォームではなく、フルリノベーションであったため費用は普通の金額ではありませんでした。
実際の費用は1000万円以上かかるなんてのも普通です。
小さな仕様でも800万円の費用がかかるケースがほとんどです。
しかし、市内や都心部の新築を買おうとすると費用で1億から2億円などは普通なので、中古マンションをリノベーションすることで3000万円から4000万円台で綺麗なお家に住むことができるケースもあって、今リノベーションは人気を集めております。

リビングのリノベ施工事例1

トイレリノベ施工事例2

洗面とお風呂のリノベ施工写真3
リノベの施工写真の一部ですが、綺麗に完成しました。
建物は築50年超のマンションですが、この辺りで土地を買おうと思えば、大阪市北区なので同じ広さの土地は2億以上するのでは無いでしょうか?
こういった背景を考えてもリノベーション工事というのは選択肢の一つとしては面白いのかもしれません。
ただ、工事専門店やデザインから設計、施工まで一貫していない会社に依頼すると結果的に費用が高くなってしまい、仕上がりだけでなく後悔する可能性ももちろんありますので、ご注意ください。
締め:L45のフローリング施工は大工でないと、施工は難しい
L45のフローリング施工は大工でないと施工が難しい理由は結論から言うと、下地のコントロールをするのが難しいからです。
基本的に仕上がりは全て下地の影響を受けており、特にリフォームではそれが顕著になるケースがほとんどです。
そんな中、リフォーム工事というのはDIYですることも流行っていますが、マンションに関してはDIYでは売り物としては全くダメなケースが殆どで自分でしているというのは正直見たらすぐにわかりますし、見れたものではありません。
こういった背景だけでなく、リフォーム工事と新築工事専門の大工で職種は実は別れています。
新築が得意な業者と、リフォームが得意な業者も顕著に分かれているので結果的には工事というのは簡単ではない、何10年と修行してきた職人と一般のものでは全く違うというのが現場の本音です。
何が難しいかというと、結局はこの場所にどのように施工すればいい仕上がりで出来上がるのか?
最終的には判断するのはお客様なのですが、どうすれば綺麗に仕上がるのか?どうすればお客さんが喜んでくれるのか?
そんなことに答えれる工務店ではありたいものです。
締め:筆者の土井工務店について
当社は大阪市都島区にある住宅・店舗リフォーム/リノベーションを専門とした工務店ではありますが、必ず現場という場所をスタッフには経験させているため、現場を知らないのにリフォームの提案をするというのがどれだけおかしいことなのか?というのを重々スタッフに教えています。
また、僕自身も現場上がりでその後に営業を学んで独立していることからお客さんの気持ちも個人的には分かるし、職人の気持ちも分かるそんな中で施工を行なっています。
ネダレスを使うことでいい加減な業者と出会ってしまって大変なことになったお客さんもたくさん見てきましたし、そんな姿を見たからこそ僕は工事の質というものを追求していきたいものです。
それでは、皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
質問や相談等があれば、記事を読んでくれた方に費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。
土井工務店 代表 土井健史