【大工目線】工事して分かったウスイータのデメリット5選

ウスイータのデメリット

大阪市都島区にある土井工務店代表の土井(@takeshidoi73)です。
リフォーム/リノベーション専門店を経営、土地建物買取再生事業の経営と最近はガレージハウス作りをしております。

中古マンションのフルリフォームをしていると必ずと言ってもいいほど、ウスイータを使用する機会が多く上貼りでフローリングの上から貼る工事をすることがあります。

しかし、全てをウスイータで施行するのはデメリットが多いケースもあって正解はありません。
実際に前回、中古マンションの現調をした結果ウスイータが使えないという状況もありました。

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こう言った箇所では、下地の影響を受けやすいウスイータは使用することは、推奨されません。
ただ、施工できるか?と聞かれると、使うことはできます。

しかし、綺麗に貼ることや仕上がりを美しくするというのは不可能です。
これらを踏まえて、ウスイータの仕上がりにも踏まえて、デメリットは次の5つ

  1. 通常のフローリングより値段が高い
  2. 仕上がりは下地の影響を受けやすい
  3. 耐用年数はまだデータが少ない
  4. 床の傾きにの対応が難しい
  5. 巾木の交換は必須

この3点が大工工事で使った際の印象でした。
では実際にウスイータのデメリットについて、詳しくお話していきましょう!

目次

Panasonicウスイータのデメリット3選

冒頭に述べた通り、ウスイータは床の下地が綺麗で尚且つ、段差があまりないような家では他の段差解消工事などをしなくて済むので、非常に有効的な活躍をします。

ですが、その反面デメリットもありそのデメリットとどう向き合っていくか?というのが課題になる材料でもあります。

1通常のフローリングより値段が高い

小売価格ですが、1ケース3.3㎡で44,420円という単価で、ウスイータ用のボンドは別売りですので、もし工事をするとなったら1㎡あたりウスイータの平米単価は容易に1万円を超え、最低でも13,000円〜と言ったところでしょうか?

ちなみにウスイータは断熱用のL45の防音タイプの単価と、通常のウスイータの単価は全く違います。

Panasonic webカタログからの引用です。(2024年8月17日)
詳細は上記リンクからご覧ください。

ちなみにですが、定価的には他社よりも安いのですが、僕たち工務店の仕入れ値が若干高いかな?と感じました。

2仕上がりは下地の影響を受けやすい

パナソニックのウスイータという床材は、仕上がりの下地がかなり重要になってくる材料です。
その理由は、本体自体が1.5mm厚というフローリングにしては薄すぎるくらいの薄さのため、使用場所を選びます。

ネットでは簡単施工で早い!と書いていますが、使用した感覚で言うと、カッターではかなりキレにくいし、巾木の交換がない場合は擦り合わせの施行になるので、非常に施工が面倒だと感じました。

個人的には早い!どころか普通のフローリングの上貼りより最初は時間がかかるなと思ったのが正直な感想です。
僕たちは何100回とウスイータを張っているため分かるのですが、ウスイータの上貼り工事にはかなりの技術力が求められるため信頼できる職人や工務店に依頼することをお勧めします。

3耐用年数はまだデータが少ない

商品的にもまだ長い年月が経っているわけではないため、商品としてのデータがあまりありません。
そのため、耐用年数も正直不明ですし、これだけ薄いのであれば正直下地次第ではないかな?と思います。

もちろんPanasonicと言う超大手企業が販売しているだけあっての信頼はもちろんありますし、正直長い年月を住んでみて使ってみないと分からないと言うのが正直な感想であり、あとはお家の条件でも変わっていくのではないでしょうか?

また、どうしても商品の問題ではなくお家の既存の床の下地の状況や、水回りからの湿気など外的要因も考えられます。
そのため、長期的にもし考えられるのであれば元々の下地の床から綺麗に工事をすること考えてください。
そうすれば、少しでもウスイータの心配やデメリットを減らすことができます。

床の傾きの対応が難しい

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全ての床がそうとは言えませんが、基本的に歪んでいる床や傾いている床に上からフローリングを貼ると段差ができて施工不良になりやすい傾向にあります。
ですが、単価がどうしても安い業者などは下地補修や、下地を張り替える提案をせずにあえてこのまま上から貼る業者もたくさんいます。

ウスイータはその上から貼って、端は見切り材で逃げることもできる便利な材料なのですが、下地の状態で工事の質が決まってしまうため工務店によって仕上がりの差はかなりでます。

僕たちもそうですが、ウスイータは仕上がりが難しいので安い単価の工事をしてくれと言われた場合、はっきり断りますしそれくらいリスクのある工事だと思っています。

巾木の交換は必須

リビングなどは木巾木が多いのですが、基本的にウスイータやフローリングを施行する際は木巾木やソフト巾木を張り替えることを推奨しています。
それは施工している僕だからこそわかることなのですが、もし巾木を交換しない場合は擦り合わせで細かく施行するため仕上がりまでに時間がかかりかえって人件費が高くつくケースがあります。

そのため、どうせ床の工事をするなら仕上がりを考えて巾木の交換はしましょう。
実際問題、擦り合わせて施工をするとどれだけ技術力がある人が行っても、既存の壁が湾曲してる場合は経年劣化により下地が悪い場合はコーキングやジョイントコークを使用することもありますので、巾木の交換とウスイータの施工はセットだと思ってください。

ウスイータの施工不良と床なりや浮きについて

写真の状態では、ウスイータを貼る際の下地は綺麗で、正直あまりにも下地が悪いところはウスイータを貼るどころか下地を綺麗にする工事から開始する必要があります。

場所によっては、先にアースシールで下地を綺麗にし直す場合もありますし、全ての箇所で場所を選ぶ商品であるウスイータの床材を綺麗に使えるわけではありません。

ウスイータの床なりの原因は基本的に本体に問題があるというわけではなく、下地の根太やコンパネが擦れる音に原因があると考えられます。
そのため、あまりにも音が気になるという人は上貼り施工は諦めて、一度既存の床を解体してはいかがでしょうか?

また、根本的にこのウスイータの薄さでは床なりの対策には基本的になりませんし、基本的に下地が全てものをいう世界になります。
根太の強さや、コンパネと根太の間に隙間ができていないか?根太掛けが正常に掛かっているかなどが非常に大切になります。

そして、ウスイータで施工不良があるとすれば、ノリのつけ忘れや下地が悪い、壁との取り合いが汚いと言ったことが考えられますし、この材料で施工は決して簡単ではないことを理解しましょう。

余談ですが、ウスイータはマンションでよく工事されるケースが多いので、直張り工法の可能性があります。
その際は既存の下地が何か?というのが非常に重要になり、もし下地がスラブ(直張りのコンクリート)であれば下地の補修は必須ですし、他の箇所と高さを合わせるためにわざわざコンパネを貼った上にウスイータを貼ることもあります。

ちなみに個人的にはやはりウスイータは上貼りをすることで力が発揮される材料なのかな?と感じています。

ウスイータで後悔したお客さんの声で多いのは?

やはりウスイータで失敗したというのは、既存の下地が悪い上に工事をしてウスイータが歪んでいるように見える、というお客さんが多いなという印象を受けます。
話を聞くと、営業にウスイータを勧められ上貼り施工だから安くなるという話をされて既存の下地が悪いのにも関わらず上貼りしてしまったというケースです。

やはり僕らのように職人上がりのような会社は少ないので、普通の営業マンではウスイータを使っていいのか?というのは分かりませんし、失敗しているお客さんも多いようです。

また、次に聞いたのが床なりがするというお客さんです。
おそらく考えられるのが、元から鳴っていたのが上貼り施工をしたのにまだ音がなると思っているケースや、床が傾いている状態の上に上貼り施工をしたため、他の床との隙間が大きくできた可能性も考えられます。

余談ですが、上貼り施工をしたとしても下地が直っているのではなくあくまでも悪い上に被せただけなので、決して音が聞こえなくなるわけではありません。
これらの問題点は、僕たち職人のような会社ではわかるのですが、正直営業ではわからないし勝手なことを言ってしまうんですよね。

ウスイータを施工するメリット

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やはり一番は、点検口や扉との段差(チリ)が少ない箇所でも施工可能という点ではないでしょうか?
最近の築年数の浅いマンションでは、扉と床の段差が小さい傾向にあり、少しでも段差を解消させています。

その場合、上から施工した際はどうしても高さができてしまうケースがあり、その場合は見切り材が必要になるケースや玄関に框が必要になるケースがほとんどなので、その点では非常に優れています。
また、解体やゴミも少なく済むケースが多いので下記のようなお家と相性がいいです。

  • ご近所さんがシビアなお家
  • 人が住んでいるお家
  • タワーマンション

これらのお家とは非常に相性がいいため、ウスイータ自体の施工は丸鋸と言った電動工具を使って基本的には行わない為、カッターで施工する分には音も起きにくくていいのではないでしょうか?
まあ、他の工事があれば音の問題は一緒なんですけどね。

DIYでウスイータを施工することは可能なのか?

僕が大工工事をして行った感想は、巾木を交換する前提の工事であればDIYが可能かもしれないというのが、結論です。
材料を使った感じでは、手先の器用な一般の方ではなんとか行けるかもしれない程度の感触でしたが、正直お勧めはできません。

自分で施工した感じはかなり難しかったので、壁側に隙間ができても最後に巾木でなんとか誤魔化せると言った状態や、下地がかなり綺麗な状態でのDIYをお勧めします。
また、巾木を交換しない場合は、すり合わせの作業となるので素人のDIYでどうにかなるという問題ではありませんし、僕らプロでも小さな隙間に関してはコークで補修することが基本となるような工事です。

ただ、カッターで施工するので大工工事とも言えるし、床工事とも言えるのでかなり壁との隙間は気になる作業になりますし、同時にウスイータを使用して施工するということはマンションでウスイータを貼った後に見切り材を使用するケースがとても多いです。

これらのややここ強い条件があるのにも関わらずDIYをやってしまう方は、ウスイータが捲れても傷んでいようとも自己責任でよろしくお願い致します。

締め:ウスイータの性能は中古マンションのフルリフォームやリノベの上貼りで発揮

ウスイータはやはり、上貼りがメインですので中古マンションがメインになるのではないかな?と施工してて感じました。
戸建てであれば、ウスイータより安い材料はもちろん解体する必要がないというのは大きなメリットですから。

こういった背景から、当社も現場によってはウスイータを費用が上がると分かっていても、マンションなど何度も往復する必要がある箇所ではウスイータを使用してなるべくゴミや、手間を増やさないようにしていることもあります。

決して簡単な施工ではありませんが、リフォームの際には一度ご検討してみてください。

最後に、当社は大阪市都島区の工務店ですが、床の工事に関しては都島区から旭区城東区あたりまではリフォームの依頼が止まらないような状態です。
特に多いのは、床の傾きや、フローリングの張り替えです。

ぶっちゃけた話、床の工事は難しいため単価が良いし、綺麗に施工できる人が少ないんですよね。
僕たち、土井工務店は大阪市の都島区の会社ですが、大阪だけじゃなくて遠方からも依頼や、大手企業、ハウスメーカーの仕事も依頼されているのでいろんな工事や家を見てきました。

今も現地調査の依頼が今もありますが、このウスイータだけは非常にシビアな商品なので現地調査無しでは判断することが難しく、正直これ単体の工事だけで他の業者と相見積もりだと内容を聞いて断るケースがほとんどです。

実際問題、現場の人間として感じたことは、工事会社は偽物が多いので素人の職人や営業の会社、ブローカーがたくさんいるような状況になっているので、工事業者が僕たちにウスイータを張ってくれとお願いしてくるケースがほとんどです。

まともなリフォームができる大工が減っていると実感していますが、最近は関西だけでなく遠方も多いので、本当に床の工事ができる会社というのはごく少数なのだな実感しています。
まあ、わからないことや床の工事に関しては気軽にご相談ください。

それでは、最後になりましたが皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
何か質問や相談等があれば、費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。

土井工務店 代表 土井健史

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