壁の断熱工事で光熱費を削減する方法

壁の断熱工事で 光熱費を削減する方法

こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
大阪市都島区でリフォームリノベーション専門店と土地建物の買取/再生の事業をしています。

最近、よく関西電力さんですか?という電話がありますが、当社は関西電力ではありません。
なぜこんな電話あるかというと、毎月1000人近く当社の記事、【元:訪問販売営業】が語る関西電力を装う悪質な営業や電話という記事を見ている人がいるようです。

関西電力さんはフリーダイヤルでなかなか電話が繋がらないから土井工務店に相談がありました。
その中でよくある質問が、光熱費削減のために関西電力さんからエコキュートをお勧めされた、太陽光をお勧めされた、蓄電池をお勧めされた、点検が定期的に必要だと言われたなどの相談がありました。

大前提として関西電力はそのような電話や営業はしませんし、その電話は関西電力ではありません。
ただ、点検の義務化は確かに太陽光ではありますが、営業がメインの代理店に務まるとは思えません。

ただ、その中でお客さんが前向きに光熱費削減を考えている方にはエコ商材の前にお家の断熱を見直した方が、長い目で見たらいいのじゃ無いのか?
そもそも家の中がしっかりできていないのにエコ商材で光熱費を節約してもどうなのか?というお話も相談に乗っています。

今回はお家の中でも大きな面積を占める壁の断熱工事について詳しく解説します。

あまりにも電話が多いので、同じことを話しているとそれなら記事を書こうと思い今書いているので、エコ商材の導入を考えている方、光熱費の削減を考えている方、断熱工事を考えている方には参考になるでしょう。
それでは本編に入ります!

目次

壁の断熱工事

壁の断熱工事は、建物の壁に断熱材を追加または改善することで、熱の移動を制御し、室内の温度を快適に保つための重要な工事で、壁は建物全体で大きな面積を占めるため、断熱工事によって冷暖房効率の向上や、エネルギーコストの削減を実現することができます。また、室内の温度ムラを減らし、結露の防止にもつながります。

また、工事の中でRCなどの鉄骨やマンションは湿気によって壁面が黒ずんでいる場合もあります。
その際は木工事で壁をふかしてその後に中に断熱材を充填する必要があるため、湿気によってお家の破損が進むため戸建ても例外ではありませんが、断熱材の入っていない壁での寒暖差は湿気との戦いと言っても過言では無いでしょう。

では、実際に壁の断熱工事の目的についてお話していきましょう。

壁の断熱の目的とは

壁の断熱には主に次の目的があります:

  1. 温度調整: 外気温の影響を遮断し、室内の温度を安定させることで、冷暖房の効率を高めます。
  2. エネルギー効率の向上: 壁を断熱することで熱損失を減らし、冷暖房機器の使用頻度や稼働時間を減少させ、光熱費を抑えることができます。
  3. 防音効果: 断熱材には音を吸収する特性があり、外部の音や室内の音を遮断する効果があります。
  4. 結露防止: 断熱が適切に施されることで、壁内部での温度差が減少し、結露が発生しにくくなります。これによりカビや腐食の発生も防ぎます。

大きく分けてこの4つですが、対策をしていないと寒暖差によって結露してその水によって木材の腐食が進み最終的には床や壁がつたっていった湿気によって腐ってしまうということがよくあります。

壁の断熱工事の方法

壁の断熱工事は、建物の構造や状態、施工方法によって異なります。
主に以下の3つがあります。

  1. 外壁断熱工事(外断熱)
  2. 内壁断熱工事(内断熱)
  3. 充填断熱(壁内に注入・吹き込み)

この3点になり、新築を除いて主流になっているのは、外壁断熱工事(外断熱)と内壁断熱工事(内断熱)をよくリフォームやリノベーションでは見かけると感じました。

また、その中で断熱材の微妙な隙間などに充填断熱をするなどはよく見かけます。
こう言った現場の事情を踏まえて断熱工事についてお話したいと思います。

(1) 外壁断熱工事(外断熱)

外壁断熱は、建物の外側に断熱材を施す方法です。この方法は、壁の内側に断熱材を入れるスペースが少ない場合や、外壁を全面的にリフォームする際に有効です。

  • 施工例:
    1. 外壁に断熱材を貼り付ける: 外壁の仕上げ材(サイディング、タイル、塗装など)の下に断熱材を取り付け、その上から新たな外壁仕上げを行います。
    2. 外壁パネルを使用: 外壁パネルとして、断熱材が一体となったパネルを使用する方法です。工期が短縮されるのが特徴です。
    3. 既存の壁にカバー工法で透湿工法を行うことを前提にその隙間部分に外断熱でスタイロフォームを入れるケースがよく見られます。
  • メリット:
    1. 室内の空間を広く保てる。
    2. 外気温の影響を直接受けにくく、建物全体の断熱性能が向上する。
    3. 外壁材が新しくなるので、壁材を新しいものにでき価値が向上する
  • デメリット:
    1. 既存の外壁を解体して、新しい断熱材を取り付ける必要があるため、工事費が高くなる場合があります。
    2. 周囲の景観や外観に影響を与えることがある。
    3. 外断熱の欠点は外壁部分が外側に広がるため、隣地との境界に問題が出る可能性はもちろん、建蔽率や容積率によっては敷地の越境や違法建築物になる可能性も否めません。

外断熱は家の中の空間を狭めることなく行えるため、非常に良い施工方法なのですが、欠点としては市内などの都会部分では隣地との距離も狭いため現実的にスペースが取れないというケースが多々あります。

(2) 内壁断熱工事(内断熱)

内壁断熱は、建物の内部から壁の断熱を行う方法で、既存の壁内に断熱材を挿入する形で行います。
特にリフォームや改修工事で多く使用され、グラスウールを入れるのが殆どです。
古い断熱材の入れ替え、新しい断熱材を入れてタッカーで留めて、ボードやコンパネを貼って、壁内に施工しています。

  • 施工例:
    1. 壁の内側に断熱材を充填: 内壁を取り外して、壁の中にグラスウールやロックウール、または発泡スチロールを充填する方法です。
    2. 断熱ボードの貼り付け: 内壁に断熱ボードや発泡ポリウレタンを直接貼り付ける方法です。
  • メリット:
    1. 工期が比較的短く、リフォームとしては実施しやすい。
    2. 内部の仕上げ材を変更せずに断熱性能を向上できる。
    3. クロスの張り替えの際に検討ができるため、工事をする機会がよくある
    4. この際に中の下地を補強するため、お家の強度の向上を狙える
  • デメリット:
    1. 居住中の家では、解体工事があるので居住しにくく養生費用が増加する
    2. 施工中に室内の設備(電気配線、窓など)の変更が必要になることもあるが、変更しなくても基本的には可能
    3. 解体した際に腐食した部分が見つかる可能性があるため、直す場合は費用が増加する

この内壁断熱工事(内断熱)はお家の壁材を解体して行う工事なので、クロスの張り替えが必須になりますし、木下地の補強も必須になるので、クロスの張り替えをしたいタイミングなどは抜群のタイミングです。

また、エアコンの交換のタイミングも良いタイミングと言えます。

(3) 充填断熱(壁内に注入・吹き込み)

壁の中に断熱材を充填する方法で、既存の壁に穴を開けて断熱材を注入または吹き込むことができます。
業者によってはリフォームでも使用します。

  • 施工例:
    1. 吹き込み断熱: 壁に小さな穴を開けて、グラスウールやセルロースファイバーを吹き込む方法です。
    2. 発泡ウレタン注入: 壁の中に発泡ポリウレタンを注入して、壁内で膨張して断熱層を作る方法です。
  • メリット:
    1. 既存の壁を壊さずに断熱性を向上できるため、リフォームで非常に効率的と言われている。
  • デメリット:
    1. 施工後に壁の仕上げを変更することが難しい。
    2. 施工後に断熱材が均一に行き渡っていない場合、断熱効果が不十分になる。
    3. 工事がうまくいったかどうかは正直分からない

決してこの施工が悪いとは言いませんが、そもそも小さな穴を開けて家の中に均等に行き渡るのか?という疑問が僕にはあって、個人的にはお勧めしません。
壁の中はどうなっているかなんて見えませんし、業者もその点は保証してくれませんからね。

湿気によって結露してしまった壁

実際に現地調査に行った際に判明したものです。
湿気によってカビが生えて、床のフローリングまで腐っていました。

ただ、これはマンションの躯体(スラブ)の部分ですので、壁が腐るということはありませんが、真っ黒になった上に結露水が壁から床に落ちて、家具や床材を腐食させる原因になります。
これはマンションだけでなく、戸建てでも起きる現象ですし、お風呂や洗面の配管からの湿気によって結露する場合はもちろん様々なことが原因で結露することが考えられます。

また、基本的に結露の原因は寒暖差なのでそれを解消するにはやはり断熱工事が必要ということなのでしょうね。

壁の断熱工事をする手順

実際に壁の断熱工事をするには次の4つの手順が基本の工事の形になります。

  1. 壁の解体
  2. 壁の下地
  3. 壁に断熱材の充填or古い断熱材と新しい断熱材の入れ替え
  4. 壁材の施工

この工事が基本の形となってありますので、最終的には応用を効かした工事になる可能性はありますが、基本的な内断熱後方に限ってはこの形になりやすい傾向にあります。

外壁の外断熱工法の場合は、これの外壁パターンと考えていただければと思いますので、今回は省略させていただきます。

1.壁の解体

壁を解体しようとしている写真です。
最終的にはボードや壁材をめくって行くのですが、まずは電気配線や壁内の給水給湯の配管やガスの配管などを傷つけないように慎重に解体することから始まります。

これを慎重に行わない場合は結果的に悪い方向へ行く傾向があり、断熱材だけでなく思い切って解体することによって素人が解体した場合は、解体しなくても良い場所まで解体するので、下地の補強がかえって大変なことになるケースが多々あります。

2.壁の下地

簡単にですが、間仕切りの際に作るような壁の下地の写真を添付します。
あえて簡単そうな木下地を載せていますが、実際問題はリフォーム工事というのは、新築と違って作る際に角度から前後の水平などを確認するため難易度と専門性かなり高いです。

そのため、簡単にできるものではないし新築ばかりしている職人ではできない、しかも断熱工事の断熱材の入れ替えもするとなると新築メインの職人や会社では全く上手く工事をすることができません。
僕らの業界ではリフォームができて新築もできるという人はいるけど、新築ができてリフォームも得意というのはあまり聞かないというのが普通なんですね。

まあ、今の建築は分離発注が基本になってきているので正直リフォームをしない職人となると一生やらないという人も普通にいますからね。

3.壁に断熱材の充填or古い断熱材と新しい断熱材の入れ替え

古い断熱材と新しい断熱材の色の差です。
あくまでも袋の部分の色の違いですが、印象はどうでしょうか?
壁に入っている古い断熱材は効果があるのか?と思いませんか?これを入れ替えたいというお客さんは多いし、まして新しいお家のクロスが貼られていても、中がこれでは大丈夫なのか?と正直思いますよね。

4.壁材の施工

今回は壁材をシナベニヤの施工をしました。
新しい断熱材の後、綺麗に仕上げるためにコンパネを貼ってその上からシナベニヤを貼っています。
壁材も二重で壁はお家の耐震性を上げる役割もあるので、新しく断熱材を入れた上にさらに壁材の補強を行っています。

断熱工事はお家の性能を上げるだけでなくこの際に照明の位置の変更や、水道工事、その他の工事など様々な変更ができるのでお家の質を上げるだけでなく、最終的には質の高いものになる工事です。

壁の断熱工事の費用と相場

壁の断熱工事は触る部屋の数や広さによって大きく費用が変わります。
もちろん一部屋だけでも100万円近くかかりますし、家中の断熱工事をするとなると500万円〜というのも普通です。
そのため、壁内もしくは外断熱をどのように使うのか?

今の壁が悪くなっているのか?など、信頼できる会社に相談しながらベストな方法を模索するのが一番賢い方法です。

締め:土井工務店が考える理想の光熱費対策

今回、エコ商材より断熱工事といいましたが、確かに断熱工事も高く費用がつきます。
しかし、エコ商材は買い換える必要がありますが、家の性能が上がったりすることはありませんし、雨漏れ対策や家の耐震性能を上げることはできません。

しかし、断熱工事は工事の際にできる工事業者であれば、一緒にリフォームで他にできなかったことができるかもしれません。
本来このクロスをこれにしたかった、間取りを変えたかった、この位置にこの棚が欲しかったなど、他のニーズに応えることができるのがこの断熱工事になります。

しかし、勘違いしてはいけないのが当社は大阪の工事業者で全国で工事をするのが当たり前で、お願いされてきたような工事業者ですが、ほとんどの業者は町のリフォームや下請け、営業の会社が殆どです。
そう簡単に大手の一流の下請けをしている会社と知り合うことはできません。

世の中の工事業者には悪質な工事業者が山のようにあり、その中良い工事をしれくれるか?というと正直ある程度の工事しかできない業者が殆どです。
そういった点も踏まえて業者を選定し、現場経験のある会社を選定することをお勧めします。

全ての業者がそうとは言えませんが、断熱工事、壁の工事といった専門性が高い仕事に関しては特に素人の業者が工事をしてもいいものでは無いと改めて感じさせられます。
綺麗な営業の話を聞くことも大事ですが、少しでもおかしいなと思った時はいつでも相談して下さい。

それでは、皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
質問や相談等があれば、記事を読んでくれた方に費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。それでは時間を大切に良い一日を。

土井工務店 代表 土井健史

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