こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
今回、壁と天井の穴の修繕で大阪市の都島区の工務店である土井工務店に大正区のお客さんがにリフォーム工事を依頼してくれました。
工事内容は次のとおりです。
- 子どもが壊した壁を直して欲しい
- 換気扇があった壁の穴を塞いで欲しい
- 天井にあるエアコンを撤去して、穴を塞いで欲しい
このような工事の問い合わせがありました。
この際に絶対に間違ってはいけないことが、壁の穴を塞ぐだけではないということをまず理解といけません。
その際に付随してくる工事には、大工工事だけでなく、近くに電線(コンセントやスイッチ)がある場合には電気工事も必要になるケースがあり、水道も同じことでどうしても位置の関係上、一度撤去や移設をする必要が出る場合がもちろんあります。
また、この際に大工工事をした後はパテをした後にクロスを貼る必要がありますが、一部を補修するパッチでどうにかなる場合と一面を張り替える必要がある場合があるので、その点も間違えないようにする必要があります。
これらを踏まえて、壁や天井の穴を塞ぐのに必要な工事内容について紹介しましょう!
穴を塞ぐリフォーム工事の手順
既存の穴を塞ぐには正しい順序があります。
上記の写真は元々、古い換気扇の穴の跡を一般の方がDIYで木下地も組まずに石膏ボードとコーキングで無理やり壁を作って、穴を埋めようとしたようで、大変なことになっていました。
そのため、一度解体した上で、木下地の調整から始まり、既存の木を電動工具(マルチツールを使って)削る作業から行い、木下地を組んで石膏ボードを貼って補修した上で、その後に壁をパテでまっすぐになるように補修して、クロスはった写真です。
見てわかるようにプロの職人が工事した後は、下の位置に穴があったのか?どうかは正直一般の方では見分けはつきませんので、壁の穴一とつで物も、強度や施工技術によって見た目に大きな違いが生まれます。
工事手順1 新しく貼る壁材に合わせて、壁を解体して穴を開ける
基本的に壁には、石膏ボードの12mmを使うのですが、マンションでは壁の厚みを取れないため9mmを使うケースがあります。
その中で、穴の空いた壁に新しく石膏ボードを貼るときは、予め程よい石膏ボートのサイズにボードを切っておいた上で、そのサイズに合わせて、壁を解体します。
壁や天井の解体は電動工具を使う場合、手動で引き回しと呼ばれるものを使う場合、ケースバイケースで用途を変えています。
上記の写真は、天井にある天井設置のエアコン、つまり天井埋込カセット形というエアコンで天井ないから外壁に向かって配管と電線があります。
そのため、穴は既存のサイズより少し大きめに切って穴を塞ぐようにします。
他にも例えばですが、古いコンセントの穴を塞ぐ工事、古い換気扇の穴を塞ぐ工事ももちろんあります>
この際に換気扇などは外壁面の古い換気扇のカバーやベンドキャップをどうするのか?外壁のしまいはどうするのか?という点はお客さんとの相談となります。
もちろん何もしないケースもありますし、雨漏れの可能性を防ぐために雨仕舞いやコーキング、板金の加工を望まれる方ももちろんいます。
また、内装のこの壁の解体後には、必ず切った面をパテが入りやすいように僕たちは面取りを行います。
工事手順2 電気、水道など解体や、木工事に邪魔なものがあれば、先に工事を行う
壁の解体の際に、万が一、電気や水道の給水に触れてしまうと爆発や急激な水漏れが起きますので、壁の解体の際には裏に何かないか?慎重に確認した上で僕はいつも解体しています。
まずは切れ目を入れてから、差し金などを使って裏に配管や電線がないか確かめる方法です。
これをした上で、小さな穴を開けて中を見ることで配管を切るリスクや電線を切るリスクを減らすことができます。
もちろん安全を確保した上でやるのは当然のことですが、この小さなことでも大きな事故につながる可能性がありますので、解体工事は危険性の高いシビアな工事になります。
工事手順3 壁や天井に大工工事で、木下地及び補強を行う
基本的に壁の開口部分は、弱くなってしまうので何か物が当たると余計に破損する可能性が高いので、天井の真ん中のジョイントになる部分にまずは木下地を入れて、木工ボンドをつけた上でボードビスで壁と木材を固定します。
もちろん壁の開口の左右に目した字は必要で、開口が大きい場合には中心に木の下地を作る場合もあります。
この後にさらに木下地を組んで天井を補強しています。
また、ビスもコースレッドの長いビスで木材同士を連結して補強した上で、天井材には別のボードビスを使って用途を変えています。
この用途ごとにビスを使い分けることが工事では非常に重要で、面倒だから使い分けないような手抜き工事をする人もいますが、当社や僕の周りの職人の中ではあり得ない行為の一つです。
石膏ボードまたはコンパネを貼る
木下地完了後には、壁の穴を塞ぐために石膏ボードが同じ厚みのコンパネを使うことが多く、コンパネを使う場合はその上に何か固定するものや台、手すりの設置の可能性が高いので、その点も図面や仕様書、お客さんの要望を確認した上で下地材を貼る必要があります。
今回は天井の石膏ボードのため、天井は壁厚9mmのものが多いため、9mmの石膏ボードを使用して、1枚目の写真で使った木下地の箇所が真ん中に来る箇所になるようにして石膏ボードを貼っています。
ちなみにですが、今回は9mmの石膏ボードを天井に貼っていますが、壁は基本的に12mmの石膏ボード、コンパネ12mm、構造用合板12mmを使うことが多いのです。
これももちろん箇所によって使い分けていますし、間違えた箇所に薄い材料や厚い材料を使用してしまうと、膨らみ過ぎた仕上がりになる可能性や、凹んだ状態でクロスが仕上がる可能性も多々あります。
そのため、仕上がりが綺麗になるかどうかはクロスの職人の腕はもちろんですが、大工工事で決まると言っても過言ではありません。
パテをして、ペーパーを当てた上で、クロス(壁紙)で仕上げる
壁の穴の継目には、パテをして穴をまず塞ぎます。
その後、パテが乾いた後にペーパーを当てた上で、下地をまっすぐにして穴を塞いで、最終的にはクロスを貼るのですが、この際に大工の腕が悪い場合や、下地が悪い時にはクロスがまっすぐ晴れず、下地が浮いているように見えます。
大工工事が綺麗にできているので、クロス屋の施工の際に天井のクロスが綺麗に貼れていることがわかります。
DIYで壁の穴を塞ぐことについて
一般の方でも、下地をして穴を塞ぐことはできますが、壁の解体と、綺麗な下地と、パテの穴埋めができるか?と考えると一般の方では少しにが重いかな?と思うのがぶっちゃけた感想です。
もし壁の穴を塞ごうという場合は、必ず必要な電動工具が何個かあります。
また、新しく貼る壁と古い壁の段差がないように施工する必要があるので、もちろん当然のことですが、難易度は高いです。
また、僕たちは当たり前のように壁を解体していますが、一般の方がした場合、裏側に配管や電線があった場合、考えるだけでも恐ろしい二次被害、(漏水や電線の爆発が起きる)可能性ももちろんありますので、僕たちはそのリスクを背負った上で工事と見積もりをさせていただいています。
そのため、少しでも失敗しそうな危険性、近くにコンセントがあるなどの場合は個人的にはDIYはお勧めしません。
余談ですが、僕たちが誤って電線を切ったとしても、先端の電線は溶けていますが、電気工事士の免許と復旧は容易にできるものです。
壁の破損箇所は、アクセントクロスを貼ることを推奨
壁の穴の部分のクロスを直すことは、パッチと呼ばれますが、正直言ってパッチよりもクロスを一面変える方が費用対効果的にも見た目にもいいと思います。
特にアクセントクロスは部屋のワンポイントになるので、個人的にはおすすめです。
一部を張り替えたとしても正直、見ればすぐ分かりますし一生気になるので、一面を張り替えてアクセントクロスとして使用することをお勧めします。
クロスを全て変えることは高額になってしまう傾向にある工事になりますが、一面を張り替えるのでは量が少ないので、若干の割高になるものの仕上がり自体は最高に良い仕上がりになります。
クロスを変えることによって、今するべき工事
クロスを変える際には、金の解体をすることができます。
そのため、個人的には家のクロスを変える際にするべき工事は次の通りです。
- 照明の交換(DLやダクトレールの使用)
- 建具(扉や枠)の入れ替え
- 巾木や床の張り替え
個人的にはというより、クロスに付随しやすい工事を羅列しています。
これらの工事はクロスを張り替える前提でないと、電気配線の際に天井に穴を開ける作業や、壁に穴を開ける作業ができないからというのが理由になります。
特に建具や床はクロスを触る際に最もついてきやすい工事になるので、この辺りが普段交換できないので、特に今の流行りはPanasonicのベリティスなので個人的にはおすすめです。
締め:壁の穴の補修は材料単体は安いが、付随する工事料と人件費、手間がかかる
費用は具体的には下記のページに記載してあります。
もちろん1箇所の場合は、日当扱いになってしまうので費用はもちろんですが増加しますし、少ければ少ないほど割高になる傾向があるのが壁の穴の補修です。
最後に、もしDIYで工事をする場合は十分に怪我に気をつけて行ってください。
僕たち職人でも工事は油断をすると怪我につながる可能性が非常に高いので、木工事は一般の方がすると指を切ってしまう可能性が高く、中には電動工具で足を切る方もいますので、注意してください。
それでは、最後になりましたが皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
何か質問や相談等があれば、費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。
土井工務店 代表 土井健史