こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
カバー工法をする事によって、お家の屋根の状態が悪くなり、屋根を葺き替える事になる。そんな話あると思いますか?
先に結論から言うと、カバー工法をする事によって家の状態が悪くなるのは下地が鉄製、つまり平板のような金属屋根やサイディングの上にカバー工法をすることにより、中に湿気がたまることが原因。
僕も全く理解できていなかったのですが、本職の板金屋さん(職人歴30年越え)に教えていただいたことが本当に勉強になったので、この記事でシェアしようと思います。
さて、今回は序章に屋根のカバー工法は意味があるのか?と疑問を持つような話から始まりますが、カバー工法は費用を抑えられるしお客さんにとって良い工事です。
しかし、実際はカバー工法が流行りすぎて、訪問販売の得意技であったり、また業者の工事単価の安売り合戦、手抜き工事が増える要因の一つでなっています。
それでは、実際にカバー工法の説明をお話しましょう。
屋根のカバー工法の順序
屋根のカバー工法は主にスレート屋根で行われ、下地の調整から始まりスレート屋根のクラック補修のコーキングをすることから始まります。
そして、その後には業者によってここから工事の質が変わるのですが、水が回らないように防水シート(ルーフィング)直接ルーフィングをしてから新しい屋根材をふいていく業者もいれば、きちんと屋根の下地を作り直して段差を無くしてから、ルーフィングをする業者もいます。
そして、防水シート(ルーフィング)の上に金属屋根で人気のあるガルバリウムなどの屋根を設置するのが主流。
僕自身もカバー工法はスレート屋根のお客さんにとってメリットがあるので、個人的には下記の記事のようにお勧めしています。
屋根のカバー工法に多い手抜き工事はなぜ起こるのか?
屋根のカバー工法は一見安いため良いように見えますが、古い屋根などには全くむいてなくかえって損する可能性が高いのは知っていますか?
理由は下地のコンパネなどの下地が死んでいるとビスが効かないため、屋根材の設置が本来であればできない。
また、屋根の下地が湾曲して屋根材が正しく設置できないような状態は屋根のカバー工法は不可能では無いですが、意味がなくなるし工事としてはデメリットの多い工事になります。
しかし、営業が決めた数字を変えれない、元請けから仕事欲しさあまりにあまりに安請負している場合には赤字を出さないために取る行動は一つとなり、こういった背景から手抜き工事につながるのです。
そのため、僕は工事は適正な価格でお客さんが後悔しないような工事を心がけて、安請負ということはしません、たとえ親戚や身内であってもです。
ちなみにいい単価の工事代金を支払ったとしてもその業者が他社へ丸投げして、安い金額で請負をさせていたら結局、工事代金は安くなるので注意して下さいね。
僕は訪問販売の会社にいて、下請けの職人を元請の訪問販売の会社が安い金額で工事をさせる事によって手抜き工事がよく起きていました。
また、屋根のカバー工法の手抜き工事例としてはこのようなパターンがあります。
- 下地処理やクラック補修をしない
- 屋根材の下地を水平にしない。
- 材料の削減
- 木材を安くするために薄い木材、細い木を使う
- 屋根で使うべきビスを使用しない
せっかく工事をしたのにそれが原因で雨漏れが起こってしまったという人も普通にいます。
特にカバー工法をしてしまえば屋根の下地というものは見えないので、こういった手抜き工事は平気で行われるので注意して下さいね。
屋根のカバー工法は訪問販売の十八番
訪問販売は積極的に屋根の塗装とカバー工法を得意としており、理由はお客さんの目に留まりやすいからです。
基本的に屋根は登れば見つかるし、外壁は見たらわかる、また水漏れが起こってしまえばもっと料金がかかると言ったことが普通にあります。
そのため訪問販売がいうことも嘘ではない場合が多く、同時に営業をかけやすいといった条件が整っている確率が塗装やカバー工法には高いのです。
もし、あなたが屋根を塗装か、カバー工法と言われ、屋根塗装の補償は10年、しかしカバー工法は25年のメーカー保証がついていて金額があまり変わらないと言われたらカバー工法がいいと思いませんか?
また、よくあるパターンとしては何年持つか?といった話で知識もないのにカタログに載っていることを話しているだけというパターンもあります。
もし、自分の屋根をカバー工法を考えているなら築年数と現在の屋根の状況を鑑みて、葺き替え、塗り替え、カバー工法のどれがいいかよく考えて下さい。
締め:カバー工法の安売り合戦について思うこと
良くも悪くも安けりゃいいといったサービスが増えていると素直に感じます。
特に家の工事については、腕の良い職人さんはそもそも安い単価で仕事をしなくても仕事があるので請けません。
その結果、安い単価の工事を仕事の技量が無い職人で奪い合うといった姿がよく見られます。
その結果、”安い単価=安い職人”といった悪循環も起こっているのでしょうね。
まあ必ずしも安い職人が悪いといった訳ではなく、技量が無いのに職人と名乗るのが悪だと僕は思います。
余談ですが、職人でもない人件費は建築用語で”坊主”といいます。
結論から言うと、安い仕事でも良い仕事をする職人はいますが、安いリフォーム工事ほど手抜き工事が多い!と言うことはあながち間違っていないかもしれませんね。
リフォーム39の記事を読んでいただきありがとうございました。
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リフォーム39運営責任者土井健史