こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
大阪市都島区でリフォームリノベーション専門店と土地建物の買取/再生の事業をしています。
最近、床の工事の依頼が増え大阪市城東区の一軒家の床の凹みと傾きの酷いお家の床工事を行なっていました。
家の床が傾く原因には根本的に3つあります。
- 経年劣化
- 外的要因(湿気、シロアリ)
- 天災(地震、台風)
これらが床の傾き、と言うよりは根本的な家の傾きの原因となっているケースがほとんどです。
ちなみにですが、今回の床の経年劣化の原因は湿気でした。
全てのお家が綺麗なお家で入れるわけではありませんし、お家のメンテナンスや工事をするきっかけになる未来は誰にも分かりません。
そのため、床が傾いた原因を考えることも大切ですが、まずはなぜ床が傾くのか?その次にはどうすればその傾きは直せるのか?そもそも床の傾きに関しては直すものでは無いのか?
こういった部分も試行錯誤しながら今回の記事で、1階だけでなく2階の床が傾く原因について考えていきまます。
2階の床が傾く理由は3つ
2階の家の床が傾く理由は基本的には1Fの基礎や経年劣化、柱、土台といったところに問題がある可能性はもちろん地盤の弱いお家にも見られる傾向があります。
というよりは、そもそも家が傾いているので床が傾いているのを直すという問題ではなく、お家自体が傾いているのでどうしようもないというケースも多々あります。
その場合は、ジャッキアップではリスクと費用が高額になるため、床だけを真っ直ぐにするのは床の土台から工事をするしかないという選択になりやすいのが床の傾きや、家の傾きの特徴になります。
1経年劣化
お家は住んでいるとどうしても20年から30年の間で大規模修繕を行うことがあるのがほとんどで、特に水回りはメーカーが20年弱ほどで入れ替えを推奨しており、保証自体も10年で終わることがほとんどです。
お家の商材は数年で悪くなるということはありませんが、逆を言えば当たり外れがあるのはもちろん一生涯何もしなくていいというお家は存在しません。
また、経年劣化を解消させるために10年前後に一回はメンテナンをしましょうと外壁はもちろん、お家の材料は推奨されていることが多い現状です。
2外的要因(湿気やシロアリ)
お家が木造の場合だけでなく、お家を劣化させる最も多い原因は湿気と言われており、外部との寒暖差、水回りに関しては特にこの湿気の影響を受けるケースが多く、床が劣化して穴があく、傾く、音が鳴る、凹むといった相談があるのに多い箇所は基本的に近くに水回りがある場所になります。
3地震による地盤沈下
地震による地盤沈下や基礎の欠落などに関しては、正直どうしようもないのが現状ですしお家に住んでいるとどうしても地震大国に日本ではこの問題に向き合っていく必要があります。
また、お家のリフォームで基礎や地盤からやり直すというのは現実的にそこで住んでいる限り難しいケースが多く、特に地盤が緩い場所では住んでいるお家では土台からやり直すことができないので、賃貸に移っていただくか、最終的には床を直す工事は発生するケースがほとんどになります。
2階の床の傾きの直し方
2Fの床を直す場合は、まずは最終的な仕上がりがどのようになるのか?
高さの段差が問題ないのか?こういった部分を専門性の強い職人または会社に見てもらう必要があり、この仕上がりを想定できない会社が工事を行うとほとんどのケースで失敗します。
床の傾きを直す工事は床の間や、建具、クローゼット、敷居などの障害はもちろん、和室の場合は畳寄せとの取り合い部分まで想定する必要があり、最終的にはどこかを妥協してもらってその箇所をお客さんと打ち合わせる必要があありますし、2Fの場合は1Fの天井との絡みが強くその下地を触ることができないので、土台から直すというケースがほとんど不可能である場合が多く、2Fは特に制限が厳しくなります。
実際に当社が2階の施工をした際は和室の傾きを直す工事だったため、さらに難易度が上がり根太レス工法で梁の加工から行って、最終的には梁に沿わせた下地にコンパネを施工しました。
床の傾きを直す工事に1階の土台から直す場合で壁や建具を触る場合は、こういった妥協点を気にすることはありませんが、費用は普通の金額の倍どころでは聞きません。
ちなみに床のみを直すという工事になると基本的には何かを妥協する必要がありますし、もし全て問題ないという業者がいるのであれば、現場メインの僕らができないのにできるわけがありませんし、それは完全な素人で工事後に必ず揉めるのでそれは注意してください。
1床の解体 2Fの場合
最初にどこまで床を解体するのか?どこまで直すのか?という部分を徹底してお客さんと打ち合わせする必要があり、その打ち合わせに時間が必要になるのと、やはり部屋内の床を全て解体するケースと、高さの関係上で一部分を残して上貼りするケースがあるので、全てを解体して直すと勘違いするお客さんももちろんいるので、その旨も伝えて解体をする必要があります。
また、室内の床を解体するのでゴミも多く、埃や木屑がすごい多いためお客さんには埃が発生する旨や室内の養生が必要であること、その他にも大切なものは他の部屋や1Fにおくなどの話をしておく必要があります。
そして、解体工事には万が一のリスクがある話もしておくべきです。
具体的にいうと、2Fを解体するのでそのゴミが1Fの天井に落ちて天井が少し傷が入るケースやクロスが割れるケースも0ではないということです。
当社は今だどの事故は”0″ですが、お客さんに綺麗事は言わないと決めているので必ず一声はかけるようにはしています。
2墨出しと高さ水平の確認

僕たち工事業者はレーザーで基準の墨出しを行い、その高さを基準に床の水平を作っていきます。
そのレーザーが狂っていたらどうするのか?という意見も当然あるのですが、このレーザーに関しては水平を出すために気泡の泡のようなものが真ん中に来るようになっているため、問題なく施工を行うことが可能なんですね。
もしくは昔であれば、水糸で水平を見ている職人ももちろんいますし、水平器や糸を張って調整していく施工もあります。
墨出しにも逃げ墨で墨出しをして基準を作ってから施工をする人もいれば、常にレーザーで高さを見ている人もいますので、職人によって細かい施工方法は異なります。
3床の木下地

床の木下地工事で高さの水平を調整していくことが2Fの床工事が多くなります。
実際に梁や床の主要構造部は解体すると耐震的な問題が発生するため、梁を残して根太で調整していく施工がほとんどです。
その際には根太を梁に沿わせて長めのビスや釘で固定して、その上にコンパネを施行する場合がほとんどです。
まあ、言えば当社が以前施工した根太レス工法になりますね。
この根太レス工法は既存の床を上げることができない場合や傾いているお家の2階などではよく使う施工になります。
4コンパネ貼り

コンパネを貼る際にもただ単に張っているのではもちろん床なりの原因になる可能性があります。
実際問題、コンパネの床なりの「ギーギー」と音が鳴る原因はコンパネ同士が擦りあって音が鳴っています。
その音鳴りの原因を解消するにはあえて、コンパネ同士の間に隙間を作って、パッキンを挟む場合もありますし、木の端材を間に入れて上からビス留めしている場合もあります。
床の施工に関しては正解はありませんが、構造耐力上主要な部分になる床を頑丈にしていくことが大切なのではないでしょうか?
5洋室であれば、床の仕上げ、和室であれば畳
洋室と和室では施工の難易度が全く異なり、和室は特に難しい場合がほとんどです。
畳を引くための畳寄せの位置、長押の下部、敷居や襖、床の間といったものまで計算して施工する必要があるため、施工に関しては慣れている職人とお客さんにこれでもかというほどの打ち合わせが必要になるため、この点を疎かにしている会社は床の傾きを直す工事を請け負った場合、殆どのケースでお客さんと揉めています。
上貼り施工で床の傾きを完全に直すのは難しい
お家の傾きというのは、基本的に土台の大引きから工事をしていない限り100%直すことができません。
どうしても予算の関係上、その上からどうにかなりませんか?と言われた際にはある程度の調整ができる方法になる工事でいいですか?と聞いています。
それは解体後は根太から補強していく方法です。
ただこの方法は根本が直っているわけでは無いので、完全に水平になったと言う工事をすることは基本的には不可能です。
何度も言っていますが、壁との取り合い部分が床の工事は難しいため、簡単に張り替えれば床の傾きが直るというものではなく、特に2階に関してはさらに難易度は上がっています。
あとお家に何年住むのか?と言う点も踏まえて、土台の部分から完全に直すのか?
それともある程度は我慢するから根太から直してほしいという人なのか?
それはどちらが正しいか正直分かりません。
DIYで2階の床の傾きを直すことはできるのか?
結論から言うと、本当のDIYでできるという人で床の傾きを完全に直した上でクレームが出ないように他の障害物との収まりを完璧にできるというのは見たことありません。
僕たち自身も2階の床の傾きは、特に難易度が高く2階に材料を運ぶことも大変なので、素人では到底綺麗にできるとは思えない工事になります。
実際に一般の方が床のDIYをしている工事を見たことありますが、基本的に木材を何も考えずに貼って、上からコンパネを貼っているだけで水平も何も取れていないというのが当たり前のようにあります。
僕はDIYでできることはできると言いますが、できないということははっきりできないと言いますし、できていると思い込んでいるだけのようなDIYはたくさん見られます。
2階の床だけでなく、傾きを直すことは専門性の高い業者で無いと難しい
傾きを直すには様々な制限があります。
お客さんは床だけを直せばいいと思っているケースがほとんどです。
それに連なって、建具との高さはどうするのか?この高さに合わせると壁のクロスがめくれてしまう、巾木が足らない、床との間に隙間ができるなど、様々な問題が出てきます。
特に2階はその制限が特に強いため、簡単に工事ができるものではなく大工工事が得意な業者でなければ失敗してしまうケースがよく見られます。

【職人目線】家の傾いている床を直す方法とは、この記事には、1階の床の傾きを直す方法と実際の工事の内容が記載されています。
もちろん簡単では無いのですが、DIYで直す方法も書いていますのでお家が傾いている、床の傾きを直したいと言う方は参考までに読んでください。
2階の傾きを放置した場合のリスク
まずは一般的に言われているのは、自律神経の乱れて体調不良や眩暈などの症状が報告されています。
僕は医者ではないので、詳しいことは分かりませんが、僕たち工事会社でも傾いた家に行くと気分が悪くなるので傾いた家に住み続けている人は慣れてしまって傾いた状態が普通になってしまうので、まっすぐな家に住むと違和感が逆に生まれるかもしれません。
特に2階の傾きは階段や段差で転倒した際に2階という場所もあって、二次災害や転倒も考えられるので高齢者だけでなく、子供も住んでいて危険な状態になってしまう可能性がゼロではありませんので、早めの修繕工事が必要をお勧めします。
また、長い間床の傾きや床が腐っている状態を放置していると最終的には直さなくてよかった箇所まで直す必要があるケースがあります。
建物の構造上、梁や土台、柱まで直さなければならないといった状況になれば最終的には数百万円といった額になり、家を手放すことを考える人や、安い業者を探してメチャクチャな工事をされて直さなければならない箇所を直さずに施行されて、10年後に発見されるなんてことは普通にあります。
そのため、人間の身体と同じく早期発見、治療と予防というのがお家には必要になります。
2階の床が傾いていることを発見する方法
お客さんが2階の床の傾きをよく発見する方法は、ビー玉が転がった、体調が悪い、気持ち悪い、立っているとつまづく、こういったことが原因で床の傾きを発見しています。
当社が傾きの検査をする際は、10万円以上もするレーザーで水平を確認して、そのレーザーで高さを見てまっすぐな部分と下がっている部分の差を確認して傾きのチェックを行います。
このレーザーには傾いている床でも足のコマを調整することによって、真っ直ぐな水平のレーザーの線が出るのでこの線を基準に他の下がっている部分と真っ直ぐな部分を確認していきます。
2階の傾いている床を直す費用について
正直いって、現地を見て現地調査後でないと費用はわからないというのが正直な意見なのですが、ざっくりとした過去の見積もりを今回は書きます。
- 室内養生費
- 材料運搬費
- 解体工事費
- 大工工事 木下地
- コンパネ貼り
- フローリング貼り
- 巾木
- 廃材処分費
- 現場管理費
- 交通費
- 諸経費
こういった項目を含んで6畳のお家でもざっくり50万円からといったところです。
床の傾きを直す工事は難易度が高く、特に2階の場合には費用が上がってしまうということだけはご理解ください。
まあ、正直な話ですが中間マージンの無い僕たち工事業者でこの金額なので、まともな工事をしようと大きな会社や大手企業に依頼すれば、100万円近くや70万円から取った見積もりが出るのは普通では無いでしょうか?
締め:土井工務店は大工工事が得意な会社だからできるが、工事できない会社は多い
今回は過去の工事で行った、2階の傾きを直す工事で根太レス工法を採用し、大きめの木下地を使って補強を行い、コンパネを貼るという非常に難しい技術の高い工事を行いました。
実際工事をしていると、正直難しいなと感じることは多く、特に2階と言うのは1階の天井や電気配線を考慮して解体や木下地を作っていく必要があるためどうしても制限があります。
そんな中での工事ですので、簡単なものではありませんし 難易度は当然高いです。
当社は大阪市都島区の工務店ですが、大工やリフォームが得意なので同業にも工事をして欲しいと頼まれることがあるので、工事ができないのに仕事を請けてるのかよと思うことが多々あります。
工事が簡単で無いのは分かりますが、床の工事ができない業者は増えているんだなと素直に感じました。
最後に、とりあえず安く済ませたいという人は、僕の経験上ろくな業者、お客さんと出会っていない人が多いのがこの建築業界ですので、相見積もりの相手程度で考えているのであれば、当社にご連絡するのはお控えください。
それでは、皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。
質問や相談等があれば、記事を読んでくれた方に費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。
土井工務店 代表 土井健史