【工務店視点】リフォームとリノベーションの違いについて

こんにちは土井(@takeshidoi73)です

リフォームの会社とリノベーションの会社って何が違うのか?とふと考えました。
始めにリノベーションの定義、リフォームの定義は次のとおりによく言われます。
元ある形に戻すのがリフォーム
元あったものより、性能を上げて作るのがリノベーション

曖昧な定義なので、一般のお客様は性能が上がるならリノベーションがしたい!とよく言いますが、性能を上げて工事をするリノベーションをする前に知っておくべきことが3つあります。

  1. 解体して既存の性能が引くものを取り除く
  2. 既存で使用していた木材よりも良い木材・材料を使う
  3. 費用が高くつく

つまり結論から工事内容の大まかな流れを言うと、中古の建物の悪い部分を解体及び撤去し、より性能の高い下地と材料を使うことがリノベーションだと現場目線での意見です。

逆にリフォームは既存のものを上手く使って、もとあった姿に戻していくような工事をリフォームと言います。
そのため、大きな解体はせずに既存のものを使って、お家の性能を元に戻すといった工事をイメージするとわかりやすいですね。

では具体的に工事といった目線からリノベーションとリフォームの違いを解説しましょう!

・リノベーションとリフォームの工事の費用の差

「リノベーションするべき家」

「リフォームするべき家」

「締め:私の工事に対する思い」

目次

リノベーションとリフォームの工事の違い

リノベーションやリフォームの違いは冒頭で述べたとおり。

性能を上げて作り直すのがリノベーション
元ある形に戻すのがリフォーム

では、実際の工事ではリフォームとリノベーションに大きな違いはあるのか?といった疑問が生まれますよね。

普通にリフォーム工事すればリノベーションと同じではないのか?

リフォームの職人はリノベーションができないのか?
リフォーム派とリノベーション派がなぜいるのか?

様々な疑問があります。
この疑問の結論を言うと、お金をかければリノベーション工事も、リフォーム工事もどちらもできるといったのが現場の正直な意見です。

ちなみにリノベーション工事と表現される”お家の具体的に性能を上げる工事”によくある工事が次の通りです。

耐震強度の向上
断熱性能、機密性能の向上
遮音性の向上
間取りの変更

例えば、耐震性を上げるためには、梁や筋交の本数の見直し、木材のより太いものを使用、ボルトや金具等の固定器具などを使用するために解体をして、一から作り直すのは耐震強度を上げるためのリノベーションとも言えますが、リフォームでも丁寧な方や予算やお客様の希望次第では同じことをします。

正直いって、大きな違いはより良い材料を使って性能を上げるかどうか?と言う点ではないでしょうか。
余談ですが、この定義通りにいくと僕の師匠は毎回、リノベーションのような大工工事をしていることになります。
本当に真面目な方でいつもいい材料を勝手に注文して、僕の財布を苦しめます。w

ちなみにこの工事の際に断熱性を上げるためにグラスウールの厚みを100にして断熱性を高める、といった目的も断熱リフォームとも言えますし、性能の高い材料を使っているのでリノベーションと言っても過言ではありません。

そして、音が気になる方には、石膏ボードを4重張りするなどして、防音性能を高める工事もあり、リフォームという人もいれば、性能を上げるリノベーションとも言います。

最後の間取り変更をすることは解体をしているので、性能をもう一度高めるような工事をやり直しやすいと言ったことから、リノベーションとも言えますが、リフォームとも言います。

これらから分かるのは、工事内容が使う材料によって、リノベーションかリフォームが決まると思えますが、最も大事なのは工事の質です。

実際の工事現場では、手抜き工事のような現場が当たり前にあります。
その中で、大切になってくるのは職人の質はもちろん、営業の予算確保の見積もり、材料の質、最後はお客様の理解では無いでしょうか?

リフォーム・リノベーション問わず、工事の質及び、材料と予算があれば基本的に住宅の性能を上げることは難しくはありません。
やはり最後は、依頼した工事業者の腕で決まると言っても過言ではないでしょう。

リノベーションとリフォームの工事の費用の差

実際に工事をした際にリフォームとリノベーションで費用の差がつく部分とは次のとおり。

解体の量
工事会社が自社でできるかどうか?
良い職人を抱えているかどうか?
工事の計画性があるかどうか?

この辺りがリフォームはできるけど、リノベーションとなると工事の手間がかかり、後期が伸びてお客様の予算が高くなる可能性が高いですよね。

また、自社で工事ができない会社は、基本的に外注なので一度工事会社に確認してからレスポンスとなるので、スピード感がどうしても遅くなるので、工事の費用も高くなる傾向になります。

ちなみに訪問販売の会社にリノベーションを依頼するのは個人的にはあまり推奨しません。
自社で基本的に何もできないので、全て下請けに丸投げなので結果的に段取り良く工事が進むということは難しいと考えられます。

お客様も高い費用がかかり、下請けの工務店も時間がかかって儲からない。
営業会社だけが得をするといった仕組みの場合が多いのが業界あるあるです。

リノベーションするべき家

結論から言うと、リノベーションすべき家は次の通りだと僕は考えています。

  1. 予算があるお客様
  2. 下地や柱の状況が悪い、経年劣化している
  3. 耐震性や断熱性能の向上がしたい。

これらが自分の住みたい家に当てはまるかどうかがポイントでは無いでしょうか?
実際に柱がシロアリに食われて腐っている、内装の壁や柱が古く状態が悪いなど、古い建物のため断熱材が無い家、耐震性や断熱性に影響のある家が多いのも事実です。

特に旧耐震の家では、屋根材にアスベストが入っていたり、昔と違って合板の厚みが薄かったり、基礎も布基礎であったり、地震によって家の傾きがあるなど様々な障壁があるのも事実です。
これらの家はリフォームをするより、リノベーション工事をした方が良いと僕なら考えます。

つまり、解体を大きく行い、柱や下地を強化して、梁、筋違、火打梁、金物を増やして補強を強くするなどを行って断熱性能も高める必要がある家ということになります。

また、リノベーションすべき家には、建て替えることができない家も含まれます。
再建築不可、一種低層地域、建ぺい率、容積率超過による違法建築物件など。

過去には建蔽率や容積率が問題なかった家が、今の建築基準法では道路からセットバックする必要がある家もあるので、その場合はセットバックしてしまうと家として住むことができなくなるような小さな家になる可能性もあります。

その場合は、スケルトンにして躯体や柱を残して、リノベーションやリフォームをする場合が多く有名なサービスで言うと、住友不動産の新築そっくりさんという商品がいわゆるリノベーション工事の一例になります。
この工事もまた骨組みを残してそれ以外を全て新品のものを使うので、そっくりさんという名前を使い、人気商品となりました。

費用はやはり大手企業なので高額のようですが、商品や仕組みは当社も見習う必要がありますね。

リフォームするべき家

リフォームで良い家とは、つまり工事項目が少なく築年数の浅い家です。
偶にお客様で誤解をしている人がいるのですが、工事をした時に一生持つと言われた!とおっしゃる人がいます。

しかし、今の建築の材料では一生直さなくて良いという部分はありません。

放っておくと、雨漏れや水漏れを起こし、家の状態を悪化させて柱や壁を腐食させるなどは家の手入れをしない人に多く見られます。
よく大手企業が100年保証や永久保証などを掲げていますが、あれは10年おきにリフォーム工事をする前提のもと掲げています。

余談ですが、この時に永久保証のリフォーム工事はめちゃくちゃ高いので気をつけてください。
普通の工務店の1.5倍くらいの費用がかかっていますから。

しかし、正直なことを言うと大手企業は対応や綺麗なオフィスがあって担当の営業も1人つきますので、コミュニケーションや顧客対応は超一流です。
我々のような工事会社はこの点を疎かにしがちなので、費用の面は仕方ないといえば仕方ないですね。

正直、僕ら工務店のように工事会社のオフィスはめちゃくちゃ綺麗!と言うわけでは無いのでリノベーションができます!リフォームができます!と言っても、まずは事務所をリフォームしろよ!となりませんか?

なので、僕は工事会社こそ綺麗なオフィスを作ることが重要なのかなと個人的には思っているので、頑張りたいと思います。
皆さんも遊びに来てくださいね!

締め:私の工事に対する思い

現在、リノベーションができるという営業会社や代理店が増えていますが、実際の工事を見るとただのリフォームとしか思えないような仕上がりであったり、お客様に出すサービスの質が利益を追い求める分、低下しているように僕は見えます。

実際に僕もリノベーションの完成会に参加することもありますが、こんな仕上がりで良いのか?と思うことも多々あります。

実際に潜入してきた記事がこちら。

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また、賃貸でもリノベーション物件というのが流行っていますが、友人が新婚で借りたリノベーション物件は最早、手抜きリフォーム物件でした。

僕自身お客様に負担をかけないようなリフォーム工事が好きですが、工事の質はリノベーションと言ってもおかしく無いような工事を心がけているので、中途半端な工事が大嫌いです。

工事会社である以上、求められていることはもちろんお客様の人生も踏まえて工事を考えるべきでは無いでしょうか?

リフォーム39の記事を読んでいただきありがとうございました。
当サイトは”手抜き工事・悪質な訪問販売・違法建築”からお客さんを守るために、リフォームの教科書になることを目指しています。

工事依頼・質問・依頼・相談等があれば、気軽にお問い合わせからご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。

リフォーム39運営責任者 土井健史

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