宮大工の師匠が傾いている家をリフォームした

69歳の宮大工が傾いている家の床を木で工事したのを見せてもらった

こんにちは土井(@takeshidoi73)です
お世話になっている69歳の宮大工さんに、現場は大阪市の浪速区に”えべっさんの近くの家の婆さんの家の床をリフォームしたったから見に来てみ!”と言われて勉強のために見に行きましたが、めちゃくちゃボロボロの家が外壁を補修して、床をリフォームしていました。

今回、大工さんがした工事で僕に見せたかったことは3つ

  • 下地として使える部分が全く無いような家(土の上)に床を下地から作って一人で仕上げた工程
  • 最後の仕上げの左官について
  • 今にも潰れそうな家でもリフォームで床を作れる

正直見た時に感動しました。
心の中では、爺さんまたかい!など思っていましたが、自分でほとんど工事をして、傾いているような家の床を一から作っていたのです。

ちなみに元々、この現場のお家は元々は壁がなく、テントのようなもので仕切りがあったでけのようですね。
つまり昔ながらの隣の家と壁が一枚で繋がっているような状態、つまり連棟物件(中古テラス)です。

そのため、一部は床がなく砂の上に石があるような状態、壁は隣の家の壁、そもそも部屋の空間は天井しか自分の家の部分がないといった状態でした。
玄関は昔ながらのガラス扉1枚だけ、電気は無いといった家でしたが、おばあちゃんの住んでいるお家でなんとか住みやすいような暖かい家いしてあげたいという思いからリフォームを請けたようです。

今回の記事は、本職の宮大工がこのようなボロボロの家を直すのにどのような気遣いがあったか、これはすごいなと思ったことをシェアしたいと思います。

目次

そもそも床や壁がない場所にどうやって空間を作ったのか?

冒頭に述べた通り、この家は昭和から建っている家でリフォーム歴がなく、傾いており今にも潰れそうな状態です。
ここまでボロボロであれば、逆に訪問販売も寄り付かないほどのお家でした。
そのため下地として使えるような部分が少なかったりするので、リフォームが難しいといった特徴もあり、職人としての力量が試されるような現場でした。

それでも大工さんは綺麗で簡単そうにリフォームをしていたので、正直驚きました。
実際にどのような工事をして、壁を作り床を作っていったのか手順は下記の通り。

壁や玄関がなかったので基礎を作った

壁は基礎をブロック塀のようなコンクリートに金具を入れて、作ったようです。
その上に木で壁を起こして、壁はコーナンにあるサイディング材である外壁くんを使用していました。
このお家は外壁くんを縦に張っていましたが、隣の家は同じ素材で横張りという面白い光景がありました。

また、玄関は昔の八百屋さんにあるようなガラス戸を使っていたようなので、解体してから新しい玄関扉を設置して扉を入れるための下地も大工さんがしたようです。
ちなみにこの下地もボロボロで僕が暴れたら扉ごと抜けるんんじゃないか?というくらいのお家でした。

また、天井も下地から組んだようなので、既存の古く腐った天井をもう一度作り直すのは大変ですが、さすが宮大工だなと素直に思いました。
また、天井の材料はお客さんの資金面のことも考え、ジプトーンの学校の教室などで使われるようなものを使ってあげたようです。
※工事は原価で日当だけでしてあげたようです。

この69歳の宮大工さんはお寺のバッテンの部分の加工などもするような職人で、なかなか伝わりづらいのですが今のパネル工法で作る一軒家の職人さんでは難しいような建物の工事を行なっています。

床は木を組んで、土にはコンクリートを流して左官

※一部真ん中に施主さんの私物があったため、加工で消しているの歪んでいるように見えます。壁は綺麗な木を貼り、僕の個人的な感性では、木に囲まれた素敵な家ですね。
また、床の土の部分は左官屋さんに依頼して、コンクリートを流して最後に勾配を綺麗につけて仕上げてくれた模様。

床の見た目

どうでしょう?このフローリングから床の仕上げまで全て自分で工事したようですよ!
この木目の色がなんとも言えないような色味があるなと感じます。
そして、巾木がありその下には左官仕上げといった古い建物にはよく合うなといった工事です。

結局、工事内容としては下記の通りです。

  • 解体工事
  • 壁増築工事
  • 床造作工事
  • 天井リフォーム工事
  • 床左官仕上げ
  • 電気配線工事
  • 玄関冊子交換工事

この工事内容で、10畳近い部屋を2部屋行ったようなので、総工事費が240万円だったそうです。
うん、大企業では大赤字じゃないですかね?w

やはり昔ながらの職人さんはお金よりも人、といったところでしょうか?僕も見習わなければなりません。
ちなみにこのような連棟物件のリフォームを行うには、大前提として隣人の許可が要ります。

連棟物件のリフォームは隣人の許可について

基本的に隣人が住んでいる場合、所有者がいる場合は連棟物件のリフォームには隣人の許可が必要。
特に屋根などは、隣との境界線の部分に板金工事、漆喰、瓦などの技術仕事が必要な場合があるため、失敗すれば雨漏れの原因につながるので隣人とのトラブルに発展しやすい。

壁の場合は連棟から離す場合も許可が必要です。
皆さんも勝手に工事すると痛い目にあるので、気をつけてください。

リフォーム39の記事を読んでいただきありがとうございました。
当サイトは”手抜き工事・悪質な訪問販売・違法建築”からお客さんを守るために、リフォームの教科書ブログになることを目指しています

工事依頼・質問・依頼・相談等があれば、気軽にお問い合わせからご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。

リフォーム39運営責任者 土井健史

69歳の宮大工が傾いている家の床を木で工事したのを見せてもらった

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