スレートは葺き替えるよりもカバー工法がおすすめ

屋根のカバー工法

こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
スレート屋根の瓦は割れやすいし、屋根の色が落ちやすということはご存じでしょうか?
最近の建築業界では、スレート屋根の多くは10年に一度のリフォームをすることが推奨され、その度に塗り直しており、訪問販売や点検商法の餌食になっていることが多いのが今の現状です。

特に台風や事前災害で最も被害が受けやすい屋根はスレートの屋根と言っても過言ではありませんが、スレート屋根には安くガルバリウムなどの金属屋根に変えることができる施工方法があるのがご存じでしょうか?

結論から言うと、スレートの屋根を一度塗り直すのは悪くないが、屋根塗装が2度目・3度目以降は今回紹介するカバー工法という工法をスレート屋根のお家にはお勧めします。

また、カバー工法をしたくてもお勧めしない地域としては沿岸部などが挙げられますので、塩水に金属屋根は相性が悪いので、海沿いの地域の方はスレート屋根のままの方が地域的に相性はいいと思います。
では、実際に屋根のカバー工法について解説しましょう!

目次

屋根の工事方法のカバー工法とは

屋根のカバー工法とは既存の屋根の上に新しい屋根材を被せるように工事をして、設置する工法。
その際に下はスレート屋根を解体したりすることなくこの工事ができるのがカバー工法の特徴です。
ざっくりですが、工事手順を並べると

  1. スレートの下地補修
  2. 防水シート(粘着性のルーフィング)をスレートに貼る
  3. 新しい屋根材の設置

といった順序で行えるので。比較的に後期が短いと言ったのが特徴。
ただ、カバー工法は既存のスレート屋根にガルバリウム鋼板の金属屋根を載せるので、高さが既存の屋根の位置と変わります。
そのため、横樋の交換・高さ調整のどちらかが必要となってきますので、一緒に樋の交換をする工事が多い。
また、お客さんの中ではそのタイミングでどうせ足場があるのなら、といった感じで外壁の塗装やシーリングの打ち替えをするお客さんが多いのではないでしょうか?。

カバー工法に向いている家の屋根

基本的にカバー工法をするには次の条件が必要となります。

  1. 下地が生きている(下地に向かってビスを打つため、コンパネにビスがきかないと使えない)
  2. 屋根の勾配がカバー工法の施工が可能な基準であること
  3. 耐震基準に達している屋根であること

順に説明していきましょう。

1.下地が生きているとは今回のカバー工法の下地つまりスレート屋根にビスを打つことになりますが、スレート屋根の下には古くなった防水シートとコンパネ・垂木があり、下地のコンパネや垂木にビスが効くか?と言う点が重要です。

もし、ビスがきかないのであれば下地が効いていないのビスが止まらないと言うことになり、屋根材が設置することができません。
できないということはないのでしょうが、ビスが効かない場合は屋根のカバー工法は効果を発揮するかどうか不明で、強引に工事をしたとしても絆創膏をしているような感覚なので、一時的には効果を発揮します。メーカー保証の25年は屋根自体に補償されるか分からないし、推奨できませんので屋根の葺き替えをお勧めします。

下地が腐っているせいかビスが効かない屋根の特徴としては、古すぎる家・長年雨漏れを放置しすぎた家に多い傾向が多いので、このような家はまず屋根の葺き替え及び下地をやり直す可能性がある、ということを念頭においてください。

それでもカバー工法で工事ができるという業者は確かに安いかもしれませんが、本当にそのような工事で良いのか?と僕なら思います。

また、メーカー保証のリンクはガルバリウム鋼板で有名なIG KOGYOさんです。
塗膜15年保障、赤錆20年保障、穴あき25年保障等をしてくれますが、上記のリンクを参考にした文章から読み取ると、施工補償には最低でも職人次第の保証が3つあります。

  • 施工説明書に記載された方法に従って取り扱ってなかったことによる損傷、工事中の不適当な管理方法や取り扱いによる損傷
  • 切断面や端面、現場加工部からの損傷
  • シーリング部分や補修塗料の箇所によるもの

いい加減な職人が工事をすると、上記のIG KOGYOの施工基準に満たさない可能性があるので、特に意味なく訪問販売に勧められてガルバリウムの屋根を塗装したり、コーキングをするようなことは推奨しません。

2の屋根の勾配がカバー工法の施工が可能な基準であることといった説明をしましたが、具体的には屋根材によって基準が違うといったことです現在の基準では縦葺き(縦に設置)と横葺き(横に設置)の2種類の施工法がありますが、横葺きは2寸(11度以上)、縦葺きは0.2寸(縦葺き)から可能です。
しかし、スレート屋根からのカバー工法の場合はたいていの屋根が3寸勾配以上が基準としてあるので、勾配の基準は心配する必要が少ないでしょう。

3の耐震基準に達している屋根であることについて、初めに新耐震と旧耐震という言葉を知っていますか?
1950年から1981年までの建築基準は旧耐震とされ、今とは構造や梁・筋交の本数、設置箇所の基準も異なります。
また、昔は布基礎が多いのに比べ、今ではベタ基礎が主流となっているのも建築基準法が地震などの対策に向けて変更されたのがきっかけでしょう。

こういった中、カバー工法と建築基準法に何の関係があるのか?というと、カバー工法はスレート屋根を解体せずに設置するので、屋根が重くなる欠点あるのです。
新耐震の屋根は基準が厳しい地域でない限り、心配する必要はないでしょうが旧耐震では難しいというより、工事は可能ですが、お勧めできない状況もある。

現場視点でカバー工法のメリット・デメリットまとめてみた

屋根カバー工法メリットまとめ

  • 屋根の葺き替えに比べて費用が安い
  • ガルバリウム鋼板という屋根材などはメーカー保証の穴あきが25年ある
  • 廃材処分費が安い※カラーベストを捨てないから
  • 工事の工期が短い
  • 遮熱性が高い※最近のガルバリウムに塗っている塗料に多い
  • 屋根の材質的に強風に強い

屋根カバー工法デメリットまとめ

  • カバー工法で工事した屋根材が雨漏れを起こし、交換する場合は全て変えるため、下の屋根材も交換することになる恐れがあり、その際はゴミ処分費が倍増。
  • 雨の音がうるさい
  • 屋根が葺き替えより重くなる。
  • 下地補修ができない
  • 工事できない屋根もある
  • 屋根の高さが変わるので樋の交換、または高さを変えるを必要がある
  • 塩害に弱いため、沿岸地域には向いていない
  • 工業地域 酸性雨が降りやすい地域は劣化を進める
  • 湿気などで結露しやすい
  • 熱伝導率が高いので、下の部屋が熱くなる

カバー工法の工事費用

カバー工法1㎡あたり約8000円〜13500円
最低でも費用としてかかるものだと考えて欲しい、カバー工法の費用としては、㎡で計算となりますが、建築資材の高騰やウッドショックの影響によりどんどん㎡単価が増加しているので、工事金額が高くなっているのが今の日本の現状です。

また、カバー工法は解体作業や後期が短いため、屋根が実質新しくなると思うと安いが、上記の金額は施工会社によって変動し、ブローカーが増加している現状では上記の金額では難しい場合も多いのではないでしょうか?
カバー工法には業者の選定が難しく、板金工事が必要となるため訪問販売の会社や塗装の営業をかける会社に依頼すると、中間マージンだけ取られて高い傾向にあるので注意してください。

※特に太陽光の無料点検や悪質な訪問販売はカバー工法と屋根塗装を推奨しているので注意してほしい。

僕自身が過去に営業マンとして全国を回っていたため、非常に参考になる記事です。
僕は人を騙すような営業に罪悪感を感じて退社をしましたが、太陽光パネルやエコキュートなどの点検商法は無くなりません。

そのため、この記事を読んでおけば最低限の知識を身につけることができるに違いありませんので、一読することをお勧めします。

締め:屋根はカバー工法か塗装どちらの方がいいのか?

屋根の状態や築年数で決めるのがベストな選択ではないでしょうか?
ガルバリウム鋼板はIG KOGYOであれば25年の保証がついていますので、これをカバー工法に使うと考えた場合、築20年位以上のお家を僕は推奨しています。
そして、築40年以上経った時にもう一度家をどのようにメンテナンスしていくか考えるべきではないでしょうか?

また、築年数が浅くスレートの屋根を一度も塗り替えていない家であれば僕は屋根の塗装を状態を見て推奨しています。

リフォーム39の記事を読んでいただきありがとうございました。
当サイトは”手抜き工事・悪質な訪問販売。違法建築”からお客さんを守るために、リフォームの教科書ブログになることを目指しています。

質問・依頼・相談等があれば、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。

リフォーム39運営責任者 土井健史

屋根のカバー工法

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