こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
屋根の手抜き工事はなぜ起こるのか?考えられる理由は皆さんは何だと思いますか?
結論から言うと、お客さまの声で多いのは、訪問販売の工事会社に依頼した、ネットで安い工事会社に依頼したと言った事例が多く、本当に屋根の専門業者なのか?と感じる会社が多いのが実態です。
具体的な手抜き工事というのは、現場の職人のミス・横着・故意の手抜き工事、業者のいい加減な工事によって起きますが、近年増えている手抜き工事につながる原因は下記のような事例が多いことです。
- 雨仕舞い(コーキング補修)をしていない
- 塗装中の縁切りを省略
- 板金工事のミス・胸板金の脳天打ち
- ビスの用途を間違っている
- 塗装を2回塗りにして3回塗らない・安い塗料の使用
- 経験の浅い職人だけの工事
- 内装業の仕事がメイン
- 全て外注するような業者に依頼したリフォーム工事
- ブローカーに依頼したリフォーム工事
- 相見積もりサイトからの無茶な値下げ
僕自身、営業と現場の二刀流であるため何度も屋根に登っていますが、この屋根の工事は手を抜いているなーと感じた事は今まで何度もあります。
特に屋根の工事は専門性が高いため”屋根・板金・塗装・コーキング・大工”といった様々な仕事ができる職人が必要となります。
そのため、内装業がメインの会社では工事をすることが難しく、外注するだけ。
営業会社が他の業者に仕事を丸投げするといったことも多くあり、その結果が手抜き工事につながり、屋根のリフォーム工事したことによってかえって雨漏れを起こす原因ではないでしょうか。
DIYのようなリフォーム工事によって、雨漏れしてしまった場合、雨によって中の木材が腐ってしまうことによって、さらに費用が掛かるといったことがよくあり、雨漏れによって腐食することは、家そのものの寿命を縮めてしまうことにつながるため危険なものだと考えましょう。
今回の記事は屋根の手抜き工事を防ぐために必要なこと、知っておくべき知識、手抜き工事の例についてお話しします。
屋根の手抜き工事は雨漏れにつながる
屋根工事の手抜き工事をの例にはたくさんの具体例があり、中でも屋根の不良工事になってしまう原因になる工事や施工方法について紹介したいと思います。
初めに、冒頭で述べた通り屋根工事は専門性が高いということを再認識してください。
何故そのようなことを言うかというと、工事というのは下地やちょっとした過程が大切であり、それを省略することが雨漏れにつながり、結局見た目が良くても中身が悪いといった状態になっているからです。
それでは実際に雨漏れを起こしてしまう工事例について紹介していきましょう!
雨仕舞いをしていない(コーキング補修)
コーキングという言葉を皆さんはご存知でしょうか?
コーキングというのは隙間を埋めるために使われることが多く、屋根だけではなくお家では壁・風呂・キッチン・扉・クロス・建具の隙間など様々な隙間を埋めるのに使われます。
しかし、コーキングといった過程の一つでも専門性の無いような業者や経験の無い業者に依頼してしましうと、屋根でコーキングするべき部分でしていなかったり、するべきで無い部分でコーキングしていたりする場合があります。
具体的な例を挙げると、屋根にはスレート屋根がありますがスレート屋根が割れているのにコーキングでヒビを補修していないといったことが雨漏れに繋がります。
こう言った隙間によって、雨水が侵入し木が腐食してしまったケースもたくさんありますので注意しましょう。
塗装中の縁切りを省略
塗装というのは塗料を屋根材の上に塗るだけと言ったイメージが強いのではありませんか?
屋根工事の過程の一つには縁切りと言われる、スレート屋根に多い屋根材と屋根材の間にたまった塗料をしっかりとカッターなどで切れ目を入れる作業があります。
縁切りという作業は、本来であればスレート屋根内に侵入した水・雨水・結露水を外に流す役目を担っています。
しかし、縁切りを怠ることによってスレート屋根同士が密着することで隙間を無くし、屋根の中で逃げ場を失った水が屋根の内部に侵入して下地(木材)が腐食する大きな事故に繋がりかねません。
正しい塗装の工事をしたこともないような業者の中にはこの過程を省略し、一見屋根が綺麗に塗装が塗れているように見える工事を行い、縁切りといった作業の手抜き工事をしているケースが多くあるので注意しましょう。
ビスの用途を間違っている
建築の基本として、ビスを使う際は用途によって職人は使い分けていることは知っていますか?
例えば、ビスの種類や形で言うと
- 木材系で使われるコースレッド
- 金属系の屋根によく使うピアスビス
- コンパネに使うコンパネビス
- 先端が特殊なドリル
- 軽天ビス
- 石膏ボード専用のビス
このように職人は場面によって様々なビスを使い分けている。
そのため、使用用途を間違えると屋根材や下地のズレに繋がり、耐久年数が下がり、1年や2年で劣化する場合もある。
塗装の工程を2回塗りにして3回塗らない・安い塗料の使用

塗装といえば基本は3回塗りで、過程には下塗り・中塗り・上塗りといった3回の工程があります。
- ウチは特別なオリジナル塗料を使っているから安いんです!
- 2回塗りにすれば安くなりますよ!
こういった業者には注意してください。
業者の中にはこのような甘言でお客さまを騙す業者が多くいます。
一般的にこういった工事は”手抜き工事”と言われ、塗装することによって10年の耐用年数がある塗料でも剥がれる原因になります。
また、このような手抜き工事は業者の施工するための材料費を安くしたい、お客様の負担を減らすことにより工事の仕事をもらいやすくするために行うことが多い営業マンの手口の一つです。
実際に2回塗りした工事の終了後は綺麗に見えたりしますが、黒っぽい色、グレーやアイボリーなどではお客さんが分からないことが多いので注意しましょう。
板金工事のミス・胸板金の脳天打ち、谷板金のコーキング
胸板金とはスレート屋根や金属屋根(ガルバリウムなど)の頂上の部分を指し、その板金の脳天打ちというのは人の頭に例えた脳天、つまり上から釘を打つということです。
名前から聞いてわかるように人の頭の上から刺すというような表現ですね。
しかし、そんな名前とは裏原に屋根の工事では上から釘を打ってしまうと、そこから真っ直ぐ水が侵入してしまったり、雨水が入って雨漏れにつながるケースがあります。
使用する釘を上から頭打ちすることを脳天打ちと言いますが、脳天打ちを釘やビスなど屋根工事で行うと雨仕舞いをしたとしても、そのコーキングが切れてしまうと雨漏りの原因につながることが多いので、胸板金は横から打つように穴も開いて形も作っているので、無理に穴を開けて上から打たないようにしましょう。
また、板金工事のミスで多いのは板金の材料が足らない・板金の加工ミスで隙間ができているといった状態で、無理にコーキングで雨仕舞いを行い、雨漏れが起きるケースが多いので注意しなくてはいけません。
板金は無理にコーキングで止めたとしても動きもあり、硬いため外れてしまうケースが多いのです。
ちなみにお客さんから上の屋根の様子は見ることができないため、どこか別の業者などが点検した際に脳天打ちをしていることや板金工事のミスに気づくことが多いようですね。
また、僕が見たことがあるのは谷板金と屋根の瓦の隙間を全てコーキングで塞いでいる屋根を見ました。
水がいつオーバーフローしてもおかしくないような構造で、よくこれで持っているなと思ったのを今も覚えています。
雨漏れによって下地(木材が)腐食するとどうなるのか?

この写真は外壁に雨水が侵入して、下地(木)が腐っていた写真です。
これは台風などの強い風や雨が来たから雨漏れが起こってしまったというわけではなくて、普通の雨で下地の木が腐ってしまいました。
雨漏れというのは下地(木材)を腐らしてしまい、直すのに余分なお金がかかってしまいます。
特にこういう状態になるのは家の屋根や壁にヒビ(クラック)が入って、その穴が風や雨で広がって行くことにより隙間ができてしまうことによって、雨などの水がお家の内部に侵入して雨漏れになるのです。
対策としてはヒビができた時点でコーキング剤などでクラック補修しておくことが大切になります。
屋根の雨漏れの修繕工事・費用について
屋根の雨漏れや修繕費は【足場の有無・屋根と足場の㎡・工事内容】で変わります。で
そのため、インターネットで簡単に屋根補修1部〇〇円からと書いている会社を見かけますが、一概にその金額で収まるかは言えなかったり、それ以上の金額が請求されることが多いのです。
なぜなら、あなたの家を見たわけではないからですねw
僕は個人的にいつも思うのは、家を見たこともないのに金額を明示することができているのに驚いています。
決して全て費用を出せないというわけではありませんが、㎡あたりの金額が出ているのであれば納得できるものですよね。
ちなみに僕の会社であれば、工事内容・距離・工事想定日数で考えます。
- 交通費・ゴミ処分費
- 足場代 ㎡あたり850円〜※広ければ安くなり、小さければ一式金額となります。
- 工事代 一部補修 28000円〜 葺き替え工事 ㎡を見ないと判断不可、カバー工法 600,000万〜
どうでしょうか?上記ではなんとなくしか分からない?と感じませんか。
理由は屋根の工事が屋根材と工事内容で全く費用が異なるからです。
具体的に工事の注文が多い屋根材と工法を下記にまとめてみました。
屋根材(上から安い順※和瓦をのぞく)
- スレート屋根
- 和瓦・洋瓦・平瓦
- 金属屋根(ガルバリウム・ジョイント立平等)
工事内容(上から安い順)
- 一部補修
- カバー工法(スレート屋根のみ)
- 屋根の葺き替え
上記のように屋根材と工法で見積もり費用が変わってきますので、家を見ていない状態では、一概に工事がこの金額でできます!と言ったのができないというのが業者の本音です。
みなさんも工事費の目安として、まず一回家の屋根材が何か見てみるのはどうでしょうか?
手抜き工事を防ぐには?
手抜き工事を防ぐには具体的に方法は二つあります。
お客さんが知識をつけて”悪徳な営業や訪問販売の業者に騙されない、依頼する業者を間違えない”
この2点しかないと言っても過言ではありません。
特に最近ではインターネットで簡単に検索できるため、工事もできない営業会社に依頼して手抜き工事につながっているケースが多いため、下記の3点に当てはまるような業者には注意してください。
- インターネットで見つけた屋根のリフォームができるといい、プロを装う会社に依頼
- 施工金額を金額をわざと安く見せることによって工事を請ける業者に依頼
- 仕事を取る営業会社が自社で工事をできると言って、他社に丸投げする会社に依頼
実際にリフォームの営業マンが工事安くできます!と言って、現場の職人が見たらこの金額でできる訳が無いという場面は何度もあります。
その結果、職人が手抜き工事をしたくなくても材料と工程を省くことによって、工期の日数を省略することになってる場面を現場で僕も経験しました。
悪徳な営業や訪問販売の業者に騙されないと言ったことは僕のブログを読んでいれば、勝手に身についてると思うので、そこは僕のブログの更新記事に期待してくださいw
屋根の雨漏れ修繕の保険・補助金を使う詐欺業者に注意
屋根を直すのに保険や補助金を使えるといったことをいう業者が言いますが、経年劣化しているという理由で屋根のリフォームがしたいからといって補助金や保険はおりません。
市町村から補助金を下ろすのには劣化や破損ではなく、下記のような理由が必要です。
- 省エネルギー対策(太陽光・断熱のリフォーム)
- 耐震性(耐震強度を上げるための工事)
- 危険対策(昔のスレートなどにはアスベストが含まれているため)
- 高齢者等対策(バリアフリー化)
- 二世帯・三世帯住宅のため増築・改築
耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、三世代同居リフォームといったことが基本的にメインとなります。
あなたのお家は上記に当てはまりますか?
当てはまる理由のない方は簡易にリフォームの補助金を使いましょう!という業者に依頼すると、上記の工事が必要と勧めてくるため注意してください。
また、過去に多かったケースでは、火災保険や台風保険を業者とお客さんが手を組んで申請する詐欺まがいの事件が多く、今では保険の申請がかなり厳しいです。
ちなみに火災保険・台風保険適応の必須条件は”風害”ですので、お家が雨漏れしていても全く関係ありません。
申請には風害によって、屋根が風害によって破損したという事実が必要ですが、台風の強かった日をネットで探してこの日に屋根材が飛んだということにして、業者と結託して屋根を壊すということをする人もいますw
はっきりいって、保険の調査員が見に来れば故意に壊したことは一瞬で分かりますので、保険を故意に使うのは社会的にもリスクが多いので申請する方は気をつけましょう。
リフォーム39の記事を読んでいただきありがとうございました。
当サイト”手抜き工事・悪質な訪問販売。違法建築”からお客さんを守るために、リフォームの教科書ブログになることを目指しています。
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リフォーム39運営責任者土井健史