外壁カバー工法に多い手抜き工事について

外壁カバー工事

大阪市都島区にある土井工務店代表の土井(@takeshidoi73)です。
住宅と店舗に特化してリフォーム/リノベーション専門店を経営しております。

近年、外壁工事をする際に塗装ではなく、モルタルの壁・ボンタイルの壁(吹付塗装の壁)にサイディングを貼ってカバー工法を使用してリフォームするお家が増えましたね!

その反面で、カバー工法は手抜き工事が素人の方では見抜きにくいという点もあり、リフォームの訪問販売の手法として悪用されている反面があります。

また、外壁塗装では、外壁の破損やクラックの他に経年劣化によって外壁塗装では修繕できない場合、外壁を全部変えるのは高いので、カバー工法を採用するお家が増えているという傾向があるのを知っていましたか?

外壁のカバー工法は手抜き工事をすることが簡単ですし、既存の壁を使ってサイディングを貼るカバー工法は下地の関係で技術が必要ですので、技術によって貼るだけだろうと勘違いして、行う業者が絶えません。
また、外壁カバー工法は上からサイディングを使うので、見積もり単価が上がると言った理由から、悪質な訪問販売を行う業者が増えているのも事実です。

先に結論から言うと、外壁カバー工法のとは3つ

  1. 歪んでいる壁にそのまま水平を取らずにサイディングを貼るカバー工事
  2. 下地に透湿シートを貼って、胴縁を貼った際に下地を全く気にぜずに胴縁を打つだけのような方法
  3. 下地のクラックを全く気にしない

歪んでいる状態の下地は胴縁を張り、下地の水平を再調整して仕上げ材として、サイディングを使うと言った手順です。
しかし、歪んでいる壁のままであれば、仕上がりが悪いので見れたものではありません。
余談ですが、強い風や台風などの風害を受けやすい他、隙間ができやすいといったデメリットのある手抜き工事です。

また、下地補修をしない工事 というのは工事会社によるのですが、ヘアークラック程度であれば気にしなくても良い僕も思います。
しかし、クラックだらけの家や耐久的に既に壁としての役目を果たしていない家などは、クラックをコーキングなどで補修してから工事をするのと、全く補修をせずにそのままカバー工法をしてしまう工事では水漏れをした時にすぐに壁に問題が起きます。

カバー工法をしたのにクラック補修をしていない場合、透湿シートに穴が開いて中に水が入り込んでしまうと、絶対に水漏れが起きますし、その場合はカバーしたサイディング材を一度外す必要があります。

では、このようなは手抜き工事を防ぐにはどうすればよいか?

  • 最低限の知識を知っておく
  • 業者との細かい打ち合わせ
  • どこまでの工事内容を求めるか

この3点は最低でも必要。
また、どこまでの工事内容を求めるのか?と言うことがポイントになりますが、基本的に営業や現場を経験してきた筆者の僕からすると、一番大切なのは最後にこれしかないんです。

自社で工事ができて、高品質な工事ができる業者を探す、最後は信用する


業者をいくら探して、相見積もりを取って相見積もりサイトから来たような業者は、似たり寄ったりであまり変わらないと言っても過言ではありません。

話は戻りますが、今回のリフォーム工事は最後の仕上げ材としてサイディング材を使いますが、カバー工法に使うサイディング材の種類で費用も変わります。
具体的にカバー工法で使う壁材についてお話しましょう。

目次

外壁カバー工法に多い壁材とは

外壁カバー工法

外壁カバー工法に多い壁材は基本的にサイディング

  • サイディング
    1. 木質系サイディング
    2. 樹脂サイディング
    3. 窯業系サイディング
    4. 金属系サイディング
  • トタン
  • 金属屋根の屋根材
  • タイル

このように種類は多くあるが、一番安いのはトタンですが、1番見た目が悪いのもトタンと個人的には感じます。
基本的に金属製のものは高く、最近では屋根材で使っている金属屋根(ガルバリウム)を外壁に使用する場合もあります。

また、費用も2023年現在は建築資材の単価も上がっていることから、インターネットに書いているようなカバー工法の相場は8000/㎡円〜でしたが、諸々の全ての工事を丁寧にすれば、この単価を容易に超えてくるのではないでしょうか?

余談ですが、建築単価というのは一度上がってしまうと飲食店の単価と同じく材料代が安くならないので、上がる一方です。
そのため、今は高いからしないというよりは、やりたいかやりたくないかで決めることを推奨しています。

ちなみにですが、個人的におすすめのサイディング材は金属サイディングです。
何十年と持つ耐久性があり、コーキングを打った目地が無い仕様のものは本当に長持ちします!

ではなぜ、多くの方がカバー工法を選ぶのでしょうか?それは次の章で解説します。

外壁カバー工法のメリット

カバー工法のメリットは0から壁を作るより費用を抑えられるという点。
つまり既存の壁を使うので、解体作業がないという点が大きなメリットでしょう。

解体作業は時間がかかるのと、養生やごみの撤去をする必要があるので、解体をするのと解体しないのでは大きな費用の差が生まれます。
しかし、欠点としては胴縁を打つ際に下地(既存の壁)が弱っている状態=ビスを打っても止まらない
このような状態では、解体をして壁をやり直すことを推奨します。

理由は既存の壁を下地にするので、既存の壁が弱っていてはビスが効かないため、上から何か貼って落ちるようなことがあっては大きな事故につながるでしょう。

再度言うことにはなりますが、もし既存の壁下地が使えて下地補修もして外壁をカバー工法するのであれば、下記のメリットが得られます。

  • 見た目のデザイン性の改善
  • 壁が二重になるため雨漏れに強くなる
  • 費用面を抑えられる

また、玄関を少しでも綺麗にしたいという理由に玄関の表だけサイディングを貼っている企業や、お家も増えてきました。
特に古い企業の建物等は玄関の表部分だけサイディングを貼っていることがあります。
これは基本的にカバー工法なので、街中で注意して見てみるとよく見かけます。

ちなみにカバー工法は外壁だけでなく、スレート屋根にも使用されますので外壁のカバー工法を考えられている人は下記の記事を見てみると面白いかもしれません。

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屋根のカバー工法

外壁のカバー工法をする方は足場を建てられることになりますので、同時に屋根を触る人が多いんですね。
そのため、こういった工法で屋根を触ることができるといった点も知っておいて損は無いでしょう。

外壁カバー工法のデメリット

カバー工法のデメリットは、上から貼ってしまうと下地が何も分からないので、”手抜き工事”の見極めが難しいといった点でしょう。
そのため、カバー工法では工事を打ち合わせる際や見積時に次のことを確認してください。

  • 材料の確認
  • 工程の確認
  • 自分の家の下地は使える状態なのか?

この中でも、自分の家の下地は使える状態なのか?確認を業者にしてもらうことが一番大切です。
ちなみに自分の家の壁下地が腐ってしまうということはこのような状態です。

壁の腐食

角度を変えていますが、同じ家の腐った状態の壁下地です。
このような状態では周囲の下地が生きていれば上から貼ることも可能ですが、この腐っている部分の上に胴縁を止めることはできません。

また、こういった壁にも新しくサイディング材を貼ってカバー工法をしたい!という方は

  • この腐った下地を直してからカバー工法をする方法
  • どうせカバーするならといって直さずに上から使える部分に胴縁を打っていく方法

と二つありますが、どちらにせよカバー工法をするために下地をある程度補強する必要があるので、上記の写真のような状態のままカバー工法で工事をすることはお勧めしません。
というか、することはお客さんの都合にもよりますが、業者からすると不良工事ではないか?と感じます。

しかし、今の建築業界の現状は元請で工事をしていない業者で下請けの状態では、元請からの仕事内容の指示、請負金額に依存するため、正しい工事をしているような業者というのは少ないのでは無いでしょうか?

また、このような下地が悪い一度補修する必要があるなどの判断は、現場を出ている施工会社と営業会社では判断が全く違います。
営業会社は基本的に”なんでもできます”と言いますからw

このような相談等は関西や東海地方であれば僕も受けることができますが、その他の方は工事会社を見つけるというのはなかなか難しいのが現実です。
なんせ、元請けと下請けというのが出来上がっているのが建設業界ですから。

下地を直して、塗装するべきかカバー工法でサイディングを貼るべきか?

ひび割れ(クラック)がひどい場合や、雨漏れがひどい場合は壁が落ちてしまい、下地からやり直す必要があります。
モルタルの壁であれば、次の工事工程を行います。

  1. モルタルの解体
  2. 下地の大工工事
  3. ラスカットを貼る
  4. 左官
  5. 塗装

このような手順でモルタルの外壁を補修してリフォーム行います。
やはりこの場合も下地をきれいにしなければ仕上がりも悪いので、解体も丁寧に行う必要がありますので、カバー工法と同じくらいリフォーム費用がかかる可能性があります。

これに比べて、カバー工法は根本的な部分は治りませんが上から貼ってしまうので、費用は大きく変わりませんが、工期が短くなると言うメリットはあります。
しかし、欠点としては根本的な部分は直さずに貼っているため、現場がどれだけ悪化しているか?と言う判断ができる職人と相談して決める必要があると工事業者の一人として僕は思います。

締め

個人的にはカバー工法は正しい工事をしてくれる方に依頼すれば、家が綺麗になるのでリフォームをしてよかった!と思えるような工事になります。
しかし、その反面貼って終えば見えないといった仕事にもなるので、手抜き工事が分かりにくいのがカバー工法になります。

僕自身は下請けとして工事を請けることがあまり無いのいで、もしお客さんの家の下地が使えないようであれば、いいか加減な工事をするのが嫌いなんでお客さんにはっきりと現状を伝えますけどね。

まあ、世の中は営業が仕事欲しさにいいかげんな仕事をとってくるといったのが現状でしょう。
余談なのですが、僕は下請けとしての経験があまり無いとは言いましたが、僕自身修行をさせてもらっていた時期は某工務店の下請けといった形で現場に行っていました。

良い経験にはなりましたが、元請の営業は何をしてるんだ?と思うことも多く、僕自身が営業マンになった時も同じようなことを思われていたのかな?なんてことを思います。

最後に当社では、リフォーム工事/リノベーション工事に特化して、工事業者の工務店として日々工事を行なっていますので、質問・依頼・相談等でれば、費用は一切いただいておりませんので、気軽にご連絡ください。
それでは時間を大切に良い一日を。


土井工務店 代表 土井健史

外壁カバー工事

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